PTAの学校司書雇用、法律違反の疑念も 郡山市は猛反論

 福島県郡山市で長く続く学校司書のPTA雇用に、議会や教育関係者から法律違反を疑う声が上がっている。児童生徒の保護者が人件費を負担する全国でも珍しい仕組みだが、市は「一体どの法律に抵触しているのか、逆に聞きたい」と猛反論。地方自治の専門家は「法律以前の問題ではないか」と首をかしげている。

義務教育無償化の流れに逆行

 市議の一人が指摘するのは地方財政法違反の可能性だ。地財法には「市町村は経費負担を住民に転嫁してはならない」(27条の4)とある。市は学校司書の人件費の半額しか補助しておらず、残りは小中学校の各PTA負担になっているのが実情だ。

 市財政課は「市は各種団体の活動に補助金を出している。学校司書の人件費も同じ考え方でPTAの学校教育活動を補助しているだけ」と主張する。

 これに対して元後藤・安田記念東京都市研究所理事長の新藤宗幸氏は「学校教育活動との認識に立つ市が経費を父母に負担させるのは、義務教育の無償化の流れに逆行する」と疑問を呈した。

 総務省の地方財政審議会長などを歴任した神野直彦氏も「公共サービスの主体がPTA、というのはあり得ない」と断じ「地域社会全体で子どもを育てようという意識が欠如しているのは明らかだ」と論難した。

 「労働契約上、問題はないのか常々不安に思っていた」と市内の小学校長は明かす。法人格を持たない任意団体のPTAによる雇用契約に違法性の疑いはないのか。

 市学校教育推進課は「各校とも書面上の雇用主はPTA会長個人になっている。学校や行政が関与する余地はなく、問題もない」と説明する。

 神野氏は「これでは、万が一子どもの絡む事故が起きた場合に対処できない。校内で問題が発生したときもPTA会長や司書が個人の判断でやった結果です、で済ますつもりだろうか」と懸念を示す。

 郡山の学校司書のPTA雇用について、新藤氏は「保護者が無償で学校活動を手伝っていた時代の名残」と推測。「教育現場では子どもたちに司書を『先生』と呼ばせているのではないだろうか。同じ『先生』なら、経費も同じ公的負担にするのが常識だろう」と助言した。

司書の机が配備されている郡山市内の小学校図書室

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る