南三陸の町民ボランティア登録4倍に 震災後の課題、住民目線で

検温などの受け付けを手伝う登録ボランティア(左)=9月17日、南三陸町戸倉 

 東日本大震災をきっかけに宮城県南三陸町社会福祉協議会が創設した町民ボランティア制度「ほっとバンク」が、着実に広がっている。登録数は開始から6年半で4倍近くに増加。見守りや子育て支援、家事援助など支え合いの形は多様だ。

 戸倉地区の高台移転地で9月17日にあったバザーなど物販イベントに、ボランティア7人が駆け付けた。「変わりない?」。受け付けで顔見知りの来場者を気に掛け、新型コロナ感染防止で検温や消毒にあたった。

 近くの災害公営住宅に暮らす佐藤えみ子さん(73)は「震災で着の身着のままになり、助け合ってきた。体が動くうちはみんなの力になりたい」と活動に加わる。普段から周囲に声を掛ける意識が高まったという。

 制度は2015年4月、全国からのボランティアが減少する中、町民同士が気軽に支え合える関係性を築こうと始まった。介護予防を図る狙いもある。

 当初53人だった登録者数は被災者の生活再建につれて増加。現在19~96歳まで194人が名を連ねる。

 地域でお茶飲みなどのサロンを開いたり、一時的な託児をサポートしたり。個別世帯の生活援助やワークショップといった、ヘルパーや社協職員が担うような業務にも及ぶ。

 町社協は震災後、国の事業を活用して町民を生活支援員として雇用。住民目線で困り事に耳を傾け、コミュニティーづくりに奔走した。登録ボランティアの2割近くが支援員経験者だ。

 町の復興に関わった本間照雄元東北学院大特任教授(福祉社会学)は「被災者支援で育てた人材を地域共生社会の構築に生かそうとしている」と評価する。

 町社協の高橋吏佳地域福祉係長は「地域のことを自分たちで解決していければいい」と前を向く。登録の連絡先は町社協0226(29)6452。

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