松川事件を世界記憶遺産に再申請 福島大「冤罪防止に生かして」

 戦後最大の冤罪(えんざい)事件とされる松川事件の関連資料について、福島大は15日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」への登録を目指し、2017年に続き再申請した。福島大松川事件資料室の初沢敏生室長は「冤罪防止や司法改革に生かし、後世に伝える貴重な記録だ」と訴えている。

 死刑判決を覆し無罪を証明した「諏訪メモ」のほか、元被告の阿部市次、斎藤千両氏の手紙など資料56点を申請。心身ともに厳しい獄中生活を強いられた様子などが記されている。

 元被告の故鈴木信氏ゆかりのいわき市の知人宅で見つかった2冊のノートには「今まで私は日記を必要としなかった。(中略)何の役にも立たなくともメモとしておくことにしよう」などと、獄中生活から釈放までの思いが書かれている。

 17年にユネスコのアジア太平洋地域版に申請したが、推薦は見送られた。前回の結果を分析し、今回は家族との絆などの観点から資料を選んで申請した。

 松川事件は1949年8月、福島市松川町の旧国鉄東北線で列車が脱線、転覆し乗務員3人が死亡した。20人が逮捕、起訴され、二審では4人の死刑判決をはじめ計17人が有罪判決を受けた。被告の無罪を示すメモが見つかり、61年の差し戻し審で全員に無罪が言い渡され、63年に確定した。

ユネスコ「世界の記憶」への再申請を報告した関係者

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