「気候変動対策に本腰を」 危機感強める若者、声上げる

気候変動対策などを訴える団体のメンバーら=22日、仙台市青葉区

 国際問題化する気候変動を巡り、東北の若者が地道に活動を続けている。衆院選(31日投開票)で、各政党は温室効果ガスの排出削減を目指す政策を掲げるが、新型コロナウイルス対策や「分配」重視の政策論議の陰にかすんでいる。「気候変動は未来の話ではない。苦しんでいる人々が世界中にいる」。若者たちは本腰を入れた気候変動対策の実行を強く望む。

「苦しんでいる人、世界中に」

 22日、仙台市青葉区。宮城、福島県の大学生ら計12人が「気候正義」などと手書きのプラカードを街頭で掲げ、住友商事や国際協力機構(JICA)などがバングラデシュで進める石炭火力発電事業に抗議した。

 総事業費約5000億円超の巨大プロジェクト。住友商事などは「日本の資金と技術を活用して逼迫(ひっぱく)する電力需要に応え、産業振興と経済発展に貢献する」と説明する。

 「人体や環境にとって有害な発電所を建てることで利益を得ている」。団体代表の東北大3年池沢美月さん(21)は異を唱える。

 団体の名前は「Fridays For Future(未来のための金曜日)Sendai」。2019年9月の発足以来、街頭活動や勉強会を重ねる。

 宮城野区の仙台港にある石炭火発の運転差し止め、角田市のパーム油を燃料とするバイオマス発電所などへの反対も訴えてきた。

 東北大2年清野華那(かな)さん(21)は元々労働問題に興味があり、官僚として経済成長に向けた政策を作る道を描いていた。だが、今は違う。グローバル化で被害を受ける「グローバル・サウス」と呼ばれる国・地域の自然や生活を破壊する経済成長の上に、日本など先進国の暮らしが成り立っているとの危機感を抱く。

 「選挙の外にだって民主主義はあるはず。政治家に投票して終わりにしないでほしい」。不満や違和感を持つ人々が連帯することで大きな力になると信じる。

 仙台向山高1年柴田昊弥(こうや)さん(16)は22日、初めて活動に参加した。「自分の無力さを思い知り、学校とは違う種類の学びがあった。小さいことの積み重ねが大事だと思う」と話す。

 ベストセラー「人新世(ひとしんせい)の『資本論』」を記した大阪市立大の斎藤幸平准教授(34)も22日、仙台で若者の輪に加わった。著書は19世紀の思想家カール・マルクスの晩年の思想を基に、気候変動問題から資本主義の限界を論じている。

 斎藤准教授は「気候変動問題は単に日本が国際公約を守って二酸化炭素を減らしていくという話だけでなく、人種などさまざまな問題につながっている」と指摘。「彼らが問題意識を持って活動を続けていけば、社会を変えるようなファクターにもなれるだろう」と期待する。

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