「仙北鉄道」の軌跡DVDに 登米線と築館線、映像や写真で振り返る

 私鉄軽便鉄道「仙北鉄道」が運行していた当時の映像や写真と、現在の沿線風景を収めたDVD「思い出の軽便っこ 仙北鉄道の足あと」が完成した。宮城県栗原市志波姫のアマチュア映像カメラマン佐藤完(さだむ)さん(77)が1年余りかけて自費製作した。

 登米線(瀬峰―登米)は、運行廃止5年前の1963年ごろの映像と今の沿線の風景を紹介する。映像は仙台市青葉区の亀谷英輝さん(91)から提供を受けた。50年廃止の築館線(瀬峰―築館)は映像が見つからず、当時の写真と今の風景で構成した。

 仙北鉄道の元社員と利用客の思い出話も収録。元運転士の男性は、築館線廃止の引き金となった48年のアイオン台風の被害の様子を振り返った。仙北鉄道の歴史の説明も盛り込んだ。

 完成披露会が栗原市内で10月にあり、元社員ら6人が往事を懐かしんだ。仙台市泉区の石川陸郎さん(85)は、「出征の見送りと戦死者の遺骨が戻った時の駅の印象が強い。映像を見て子どもの頃に見た光景がよみがえった」と感慨深げに語った。

 DVDは、薄れつつある仙北鉄道の記憶を後世に残そうと佐藤さんが企画した。「何度も沿線を回って撮影を繰り返した。子どもたちにも分かるような編集を心掛けた」と語る。

 仙北鉄道は地元の要望を受け、登米線が1921年、築館線が23年に開通した。登米線廃止2年後の70年、法人はバス会社2社との合併で宮城交通となった。

 DVDは28分。今後、栗原、登米両市の小中学校、公民館などに寄贈する。

佐藤さん(前列右)製作のDVDを見る仙北鉄道元社員ら=栗原市志波姫
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