原油高騰が生活直撃 燃料代かさむ遊覧船、暖房費増すイチゴ農家

 原油価格の高騰を受け、ガソリン、灯油など石油製品の価格が高止まりしている。東北6県のレギュラーガソリン平均小売価格(22日現在)は1リットル当たり167円10銭と、7年ぶりの水準が続く。冬の入り口に差し掛かり、暮らしや仕事への影響に懸念が広がる。

 仙台市中心部のガソリンスタンドで、レギュラー170円台の表示はざらだ。

 26日、青葉区の「出光仙台一番町サービスステーション」は通常価格177円。佐々木宏サブマネジャー(43)は「1カ月ほど前に160円台前半から一気に上がり、高止まりしている」と話す。販売量と来店数は前年の8割程度。「いつも来る客が安い郊外店に行っている可能性がある」

 社用車の給油に訪れた太白区の会社員佐藤光兵さん(59)は「休日は自家用車の利用をできるだけ控え、買い物も自転車。政府の石油備蓄放出などで値下がりしてほしい」と語った。

 積雪が多い地域では特に、車が必需品だ。秋田市で弁当宅配に従事する高橋梓(あずさ)さん(45)は「車5台の燃料費が月約15万円から5万円ほど増えそう。このままでは弁当の価格を上げなくてはいけない」と悲鳴を上げる。新型コロナウイルスの感染拡大で減った行事や団体向けが回復しつつあるだけに、コストが重い。

 コロナ禍からの回復途上にある観光地にも影を落とす。松島湾で遊覧船を運航する丸文松島汽船(塩釜市)は、月400万~500万円程度かかっていた燃料費が3割以上増えた。

 感染防止で定員は半分に抑え、好調だった訪日外国人客はゼロのまま。採算が合わない便も多い。佐藤守郎専務は「収入は下がり、燃料代はかさむ。国などの支援があればありがたい」と訴える。

 「この高値が続いたら、暖房代はどこまで膨らむのか」。これから出荷の最盛期を迎える宮城県亘理町のイチゴ農家、森義郎さん(59)は気をもむ。

 大型ハウス7棟で県産品種「もういっこ」を栽培する。夜間に内部を温める重油使用の大型ボイラー2台は間もなく稼働時期。高設棚の温水設備と光合成を促進する二酸化炭素発生機には灯油を使う。

 燃料代はピークの12~2月で月18万円前後かかるが、今年は10月時点で重油と灯油の価格が前年より5割高い。森さんは「設定気温を低くすれば成長が遅れ、収穫回数に影響する。価格に転嫁したら、お客さんが離れてしまう」と悩ましい心境を明かす。

 家計への影響は切実だ。「灯油がないと生活できない。値上がりは非常に困る」と家族3人で暮らす盛岡市の会社員沢藤昌彦さん(60)が嘆く。風呂や暖房に毎月200リットル使う。「昨年は月2、3万円を出費した。自宅では厚着をするなど節約に努めたい」と言う。

仙台市中心部では、レギュラー1リットル当たり170円台を表示するガソリンスタンドが目立つ=26日午後1時20分ごろ、仙台市青葉区

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