「被災地の今」現地からオンライン報告 語り部、意義や課題訴え

オンラインの報告会で、福島県大熊町の様子を中継する木村さん

 岩手、宮城、福島3県を中心に東日本大震災の伝承に取り組む団体・個人の連携組織3・11メモリアルネットワーク(石巻市)は11日、オンラインでネットワークメンバーらによる報告会を開いた。参加者約40人は、被災地から中継で参加した語り部の言葉に耳を傾けた。

 福島県大熊町で被災し、7歳だった次女汐凪(ゆうな)さんら家族3人を津波で失った木村紀夫さん(56)は同町の帰還困難区域から報告。放射線量計を使って場所によって線量が高い状況を示しながら、津波や東京電力福島第1原発事故による複合災害の実情を紹介した。

 震災の津波と浸水域が似ているとされる貞観地震津波(869年)の情報が広く伝わっていなかったことに触れ「貞観地震を知っていれば家族と津波について話し合っていたと思う。次の災害に向けて震災を伝えていきたい」と強調した。

 石巻市の私立日和幼稚園の園児だった長女愛梨ちゃん=当時(6)=を亡くした佐藤美香さん(46)は被災現場から中継。発生3日後の周辺の写真を示し津波被害の甚大さを伝えた。

 佐藤さんは語り部活動を続けている原点を問われ、「震災で失われた命を無駄にしてはいけない」と語り「私たちの命には限りがある。若い人たちに、思いを継いでもらえるような方法を考えたい」と訴えた。

 メモリアルネットワークは約70の団体のほか、NPO、企業、学校関係者、寄付者ら個人で組織する。ネットワークは、ホームページなどで随時会員を募っている。

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