全米で「ニュース砂漠」広がる 04年以降、2155紙が廃刊 <米・地方紙の模索>

 米国の新聞は50州に6736紙(2020年)を数える。日本新聞協会会員の新聞社は101。米国の全国紙はニューヨーク・タイムズ(NYT)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、USAトゥデーの3紙。多くが週刊で、地方紙やコミュニティー紙のように規模が小さい。

「赤」は新聞がない郡、「オレンジ」は主に週刊が1紙のみの郡(ノースカロライナ大の報告書より引用)

■ 売り上げ8割減

 米ノースカロライナ大などの報告書によると、04年には8891紙が発行されていたが、4分の1の2155紙が廃刊した。新聞広告の売り上げは05年の494億ドルから、20年には88億ドルと8割減った。

 業界の縮小にもかかわらず、投資ファンドが買収を繰り返した。ガネット、アルデン・グローバル・キャピタル、リー・エンタープライゼズの上位3グループだけで、全日刊紙の3割超を傘下に収める。

 過酷なリストラなどの経費削減で利益を生み出すファンドの方針を背景に、新聞社編集局の人員は7万1640人(04年)から、3万820人(20年)と半分以下に落ち込んだ。報道の質を下げかねないとの懸念から、強引な手法には批判も多い。

■ デジタル化進む

 近年、関心を集めているのが「ニュース砂漠」だ。全3143郡のうち、新聞がないか、週刊の新聞が1紙しかない地域は1753郡で半数を超えた(地図)。ニュース砂漠の住民は選挙で投票しない傾向にあるほか、高貧困率、低い教育水準などと関連するとのデータがある。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センターの報告によると、全米の20年の新聞発行部数(グラフ)は前年比6%減の計2430万部と続落。NYTとWSJのデジタル購読を含めると、10%増の3564万部に好転すると推計した。デジタル化に対応できた報道機関、新興デジタルメディアの存在感が増している。

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