「富山でニホンミツバチの養蜂に取り組む人を知りませんか」。国立環境研究所(茨城県)の調査に協力している高知県の男性から、北日本新聞(富山市)の「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」に電話がかかってきた。調べるにつれ、ニホンミツバチは寄生ダニや残留農薬の影響で激減の恐れがあることが分かった。身近な昆虫の現状に迫った。
国内には、在来種のニホンミツバチと、養蜂のため明治期以後に輸入されたセイヨウミツバチが共存している。だが、ニホンミツバチの全国調査は進んでおらず、生息数は分からない。
この在来種は、10年ほど前から危機にひんしている。国立環境研究所によると、ニホンミツバチに寄生する外来種のダニが2010年に国内で初めて確認され、生息域を広げつつある。さらに、ニホンミツバチは雑多な花の蜜を集めるため農薬の悪影響も懸念される。こうした状況に、研究所がハチの健康に関する初の大規模調査を始めた。
調査では、健康を脅かす病原体や農薬を調べ、影響を予測する。夏から秋に全国の養蜂者にハチや巣板、蜂蜜のサンプルを提供するよう求めた。
本紙に電話をかけてきた高知県の男性は、ニホンミツバチの養蜂に挑む新川高2年の南部咲永(さな)さん(富山県魚津市鹿熊)を紹介した本紙の記事を見たという。だが、残念なことに南部さんの巣箱には今年、ハチが入らず養蜂はかなわなかった。
男性は富山に足を運んでさらに調査したが、ニホンミツバチの養蜂者は見つからなかった。それもそのはず、県内ではニホンミツバチの養蜂はごくわずかだ。
今年、県に届け出られたのはセイヨウが422群で、ニホンは21群。県養蜂協会長の大場靖弘大場養蜂園社長(48)は「ニホンミツバチは神経質で逃げやすく、さらに寒さに弱い。健康に越冬させるのは大変」とその理由を語る。
養蜂は少ないが、野生のニホンミツバチは県内に生息している。調査したことがある富山市科学博物館の元学芸員、根来尚さん(69)によると、枯れた木の溝などで見つかるという。
自然界で担う役割は大きい。野山で花粉を運ぶことでクマなどが食べる果実を育む。リンゴなどの果樹栽培にも大きく貢献する。昆虫に詳しい同館の岩田朋文学芸員(29)は「いなくなれば私たちの食生活にも影響が出る」と語る。
今回の調査では、北陸と東北のサンプルが少なかった。国立環境研究所の坂本佳子主任研究員は「文化的な要因か、環境的な要因か。今回の調査で分かる可能性もある」と話している。
(北日本新聞提供)
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