「ワクチン後遺症」知って 23歳女性、長引く体調不良訴える

新型コロナウイルス感染症のワクチンと注射器

 「新型コロナウイルスワクチンの後遺症の実態を知ってほしい」。仙台市出身の女性(23)が10月末、切実な声を「読者とともに 特別報道室」に寄せた。ワクチン接種直後から約2カ月間、体調不良が続くという。取材の結果、後遺症に対する関係者の意識に濃淡があることが分かった。

 「これまで病気らしい病気をしたことがないのに…」。部屋着姿で取材に応じた女性は、起きているのがやっとという表情で経過を説明し始めた。

 今春、大学を卒業し、新社会人として横浜市の会社に勤務。神奈川県内で感染者が増加し、ワクチン接種を推奨する報道も続いたことから9月中旬、市内の病院でファイザー製ワクチンを初めて接種した。

 翌日、ひどい倦怠(けんたい)感と頭痛、微熱が始まった。複数の病院で血液検査やPCR検査を受けたが、結果は「異常なし」。「ワクチンが怖いと思って打ったから具合が悪くなっている」と言う医師もいた。

 ネットで「ワクチン」「副反応」と検索しても、自分のように長く続く症状の情報に行き当たらない。横浜市や厚生労働省などの相談窓口に専門の医療機関や治療法を問い合わせたが、「予防接種後健康被害救済制度という『お金』の話をされるばかり」だった。

 仕事は接種当日から在宅勤務を続けたが、状態は改善せず休職を決意。10月上旬に仙台の実家へ戻り、療養を続ける。

反対派でも推奨派でもない

 幼少期から空手を続け、学生時代は全国大会で上位入賞するなど接種までは「健康そのもの」だった。「自分はワクチン反対派でも推奨派でもないが、同様の苦しみや不安を抱える人が他にもいるはず。国や自治体、医療機関は実態をうやむやにせず、しっかり対応してほしい」と訴える。

 各都道府県などにはワクチン副反応の専門相談窓口がある。ただ、女性のような慢性症状の訴えには「かかりつけ医の受診を勧める」(宮城県など)にとどまり、「医療機関の紹介はできない」(神奈川県など)とする対応が大半だ。

 女性のような症状に苦しむ人は、ほかにもいる。仙台市若林区の内科医院「堀田修クリニック」によると7月以降、新型コロナ感染の後遺症患者17人のほか、モデルナ製も含めたワクチン接種後、体調不良が慢性化した3人が受診したという。

 堀田医師は「3人は既往症がなく、ワクチン接種を機に不調が始まった。『ワクチン後遺症』が存在する可能性は否定できない」と指摘。国内でも3回目の接種が今後本格化するが「安全性やメリットだけを過度にPRせず、被害実態やリスクも認め、接種の在り方を社会全体で冷静に考えるべきでは」と問い掛ける。
(武田俊郎)

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