「ランドセル避難がより有効」 小学校の防災頭巾論争に新説
河北新報オンラインニュースで昨年12月に公開した「小学校の防災頭巾、効果ある? ヘルメットではだめなの?」の記事に対し、仙台市太白区の地域防災・学校防災アドバイザー吉田亮一さん(64)が「頭だけでなく、背中も守るにはランドセルがより有効だ」と意見を寄せた。どのような考え方なのか、耳を傾けてみたい。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)
防災頭巾やヘルメットは地震の揺れが収まった後、校庭などに避難する際に着用が想定される。吉田さんは「避難中にまた揺れたら、子どもは驚いてしゃがんでしまう。落下物が背中に当たり、大けがする危険がある」と指摘する。
吉田さんが薦めるのは、ランドセルを背負っての避難だ。「かぶせ(ふた)で頭を覆い隠し、体育座りすれば頭も首も背中も守れる」と強調する。登下校中にも対応できる利点があるという。
その上で「より重要なのは揺れている最中の対応。机の下に潜っている時、机が倒れない正しい方法を取るのが大事だ」と続ける。
吉田さんによると、4本脚の机は対角の脚の上部をつかむと安定する。高さが調整できる2本脚の机は、脚の接地部を上から押さえつけるのが良いという。
2012年から国の実践的防災支援事業に協力し、教員研修会などの講師を務める吉田さんは「基本的な動作が徹底されていないし、どの方法が良いか検証もされていない。市町村教委は各学校の現場任せにせず、いくつかの事例を示すべきだ」と提言する。
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