松島湾ワカメ養殖施設の8割、津波被害 地元漁協、宮城県に支援要請へ

津波被害を受け散乱した浮き球などの養殖施設=16日午後3時30分ごろ、塩釜市の松島湾

 南太平洋・トンガ沖の海底火山噴火で発生した津波で、松島湾のワカメ養殖施設の約8割が被害を受けたことが19日、宮城県漁協塩釜市第一支所(塩釜市)と塩釜市漁協(同)への取材で分かった。両組合と塩釜市は20日、県庁に赴き、昆布なども含む浅海漁業の被害状況や支援の必要性を訴える。

大部分が収穫できず

 第一支所に所属するワカメ漁師は約10人で、ワカメと昆布の養殖施設約1050本を手掛ける。市漁協には約20人が属し、約3000本を扱う。両組合のほぼ全ての漁師が施設を流されるなどの被害を受けたという。

 養殖施設は、水平方向に延ばしたロープ(長さ約50メートル)の両端に付けたくいなどを海底に打ち込んで固定していた。津波の急激な流れに耐えきれずにくいが抜けたため、列をなして並んでいたロープや浮き球が流されて団子状に絡まるなどしたとみられる。

 両組合の幹部は「ほとんどの養殖施設が複雑に絡まり合って修復不能だ」と口をそろえ、収穫期で長さ約1・5~2メートルにまで成長したワカメに関しては「大部分が収穫できないだろう」との見解で一致した。

「組合員に安心を」

 漁師たちは津波が押し寄せた16日以降、被害を免れたワカメの刈り取りや出荷作業をする傍ら、被害施設の確認などを進めてきた。両組合は組合員への聞き取りなどで詳しい被害状況や被害額を取りまとめ、市や県に報告する。

 県への要望活動には県漁協の寺沢春彦組合長、佐藤光樹市長が同行する。市漁協の末永三郎組合長は「われわれだけでは被災施設やワカメの処分が難しい。担い手の高齢化が進み、これを機に辞める漁師が出てくることも危惧している。県の支援を得られれば組合員が安心できる」と話した。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
先頭に戻る