毎年、立春の早朝に搾ったばかりの日本酒がその日のうちに飲める「立春朝搾り」。これ以上ない新鮮さと、フルーティーな香りや味わいが受け、全国で大勢のファンが2月4日を心待ちにする。「日本酒版ボージョレ・ヌーボー」とも言えるお祭り感がある日が近づいている。(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)
立春朝搾りは日本名門酒会(東京)が1998年に企画し、今年で25年目を迎えた。使うのは純米吟醸か特別純米酒の生原酒だけ。立春当日、瓶詰めして蔵元近郊の契約酒販店に出荷する。
通常は搾ってから店頭に並ぶまで1週間以上かかるが、立春朝搾りは蔵出し直後に味わうことができる。春を祝う縁起酒として注目を集め、日本酒ファンには恒例行事となっている。
宮城県では、県内酒造界の横綱的存在の一ノ蔵(大崎市松山)が唯一取り組む。使うのは県独自の酒米「蔵の華」で仕込んだ「一ノ蔵 純米吟醸生原酒」。蔵の華は、米こうじと酵母、仕込み水をタンクなどに入れた状態の「もろみ」に溶けやすい性質がある。ミネラルを適度に含む仕込み水と米のエキスが多くなることで、発酵が緩やかに進むため味わいの調整など品質管理がしやすいという。
一ノ蔵マーケティング室の永井靖二(せいじ)さんによると、今年はアルコール度数を昨年より1度低い16度と飲みやすく設定。立春朝搾りのコンセプトである「華やかな吟醸香とふくらみのある柔らかな口当たりが楽しめる春の祝い酒」を表現している。
もろみを搾る作業は立春の午前0時から早朝まで行う。「令和四年壬寅(みずのえとら)二月四日」と日付と干支(えと)が記された各蔵おそろいのラベルを貼った瓶に注がれ、氏神の羽黒神社(大崎市松山)神主による無病息災、商売繁盛などの祈願を受ける。酒販店が蔵まで出向いて酒を受け取り、店頭に並べるという流れだ。
普段はもろみの発酵具合で搾る日を決めるが、立春朝搾りは2月4日当日に最高の状態にしなければならず神経を使うという。永井さんは「今はフルーツのような甘い香りが漂う良い状態。ただ、思い描いた香りに仕上がっていても、搾った時に失われることもある。最後まで気が抜けない」とゴールを見据える。
今年は一ノ蔵を始め、仙禽(せんきん)=栃木県=など全国35都道府県の43蔵が計28万8000本(720ミリリットル換算)を仕込む。東北からは如空(じょくう)=青森県五戸町=や天寿(てんじゅ)=秋田県由利本荘市=、大山(おおやま)=山形県鶴岡市=、千代寿(ちよことぶき)=同寒河江市=、栄川(えいせん)=福島県磐梯町=も参加する。
価格は全て税込み1760円(720ミリリットル)。すでに予約を終了した蔵もあるが、一部店舗では余剰分を販売することもある。販売店舗は日本名門酒会のホームページで確認できる。
一ノ蔵では2万本を出荷予定で、宮城のほか青森や岩手、山形の計43店舗で1月31日まで予約を受け付ける。「立春は二十四節気で年が始まり、生命が躍動し始める時期。地元の蔵が搾った生まれたての新酒を飲んで、一年を健康に過ごしてほしい」と日本名門酒会企画部の担当者。コロナ禍を振り払う、疫病退散の願いもこもった新酒が搾りの時を待っている。
[生原酒]タンクから搾ったままの状態で瓶詰めした日本酒。殺菌と同時に酵素の働きを止めて酒の品質を安定させる「火入れ」と呼ばれる加熱処理をせず、アルコール度数を調整するための水も加えない。火入れしないものは生酒、水を加えないものは原酒と言う。「華やかで甘い香り」「荒々しい爽快さと軽快な飲み口」といった特徴がある。酒の中に残る酵素の働きで味わいが時間とともに変化する。各酒造会社では、冷蔵庫で保管し開栓後は早めに飲み切ることを勧めている。
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