PCR検査 追い付かず まん延防止措置の弘前、人手やキット不足

 新型コロナウイルスの感染者が急増し、まん延防止等重点措置が27日から適用された青森県弘前市で、弘前保健所の業務が多忙を極め、濃厚接触者らへのPCR検査が円滑に進まない状況が起きている。無症状の市民を対象にした検査キットも不足がちで、不安の声が上がっている。

PCR検査キットの欠品を伝える薬局の張り紙=26日、弘前市

 「生徒が濃厚接触者に認定されたと保護者に伝えることしかできず、どうしていいか分からなかった」。市内で学習塾を経営する女性(45)は声を震わせた。

 今月中旬、塾講師の大学生の陽性が判明。生徒の中学生2人が濃厚接触者となったが、保健所から検査機関などの紹介はなかった。やむなく生徒が受診したかかりつけ医には検査キットがなく、医師から「(2人を)陽性扱いにしてください」と言われたという。

 数日後に保健所から連絡があり、生徒2人は指定された病院で検査を受け、陰性が確認された。

 市内の感染判明は今月中旬から急激に増え、23日までの1週間で550人を超えた。青森県は15日以降、1日最大26人の保健師、一般職を弘前保健所に派遣。市も毎日12人を応援職員として送り出している。

 だが、業務の忙しさは解消されていない。県によると現場の人手が足りず、感染者の行動歴を調べる「積極的疫学検査」を省略するケースが大半となっている。担当者は「症状や行動の聞き取りに時間がかかり、治療の優先順位を決める『トリアージ』が十分にできていない」と話す。感染者リストの作成といった事務処理も滞りがちという。

 薬局など市内6カ所で実施されている無料PCR検査も逼迫(ひっぱく)する。4カ所を運営する丸大サクラヰ薬局(青森市)によると、1店舗に1日最大50件の問い合わせがあり、通常業務に支障が出ている。

 検査は1日10件に制限しているが、21日に検査キットの入荷が止まったという。担当者は「従業員も疲弊している。来週以降の入荷見通しも分からない」と話した。

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