大舞台、用具で支える 義手義足製作会社の情野さん パラのスキー座位・鈴木のシート担当

社内に飾ってある鈴木の写真やトロフィー、メダルと情野さん=会津美里町のアンクル

 北京冬季パラリンピックのアルペンスキー男子座位日本代表で、福島県猪苗代町出身の鈴木猛史(33)=YKB、仙台市在住=を、義手義足製作会社アンクル(福島県会津美里町)代表取締役情野(せいの)操さん(76)が用具面で支えている。長年、鈴木に寄り添ってきた情野さんは「今の滑りで完走すればメダルを取ってくれる」と期待する。

 小学生の時に交通事故に遭った鈴木の義足を手掛けたのがきっかけで、大学1年の時からチェアスキーのシートなどを作ってきた。「競技用の用具製作は責任が重く不安だが、期待に応えようと取り組んだ」と振り返る。

 北京冬季パラリンピック用に作ったのはチェアスキーのシート、前面を覆う風よけのカウル、義足だ。シートは座面と背面が一体となったタイプで、座面と背面の角度など繊細な調整が求められた。臀部(でんぶ)の筋肉の状態が左右で異なり、クッションにも神経を使ったという。旗門をクリアする動きの進化に合わせてカウルは長くし、頑丈なカーボン製を採用した。

 北京用が完成した昨年10月、鈴木に披露した。「座った瞬間、『これです』と言って気に入ってくれた」と情野さん。義足もスキー板に直接、力が伝わるようになったようだ。

 情野さんは会津若松市の社会福祉法人で義手や義足の製作に関わり、20年ほど前に会津美里町で独立した。今は息子2人、娘1人と共に会社を営んでいる。

 鈴木は出場5種目のうち3種目を終え、滑降8位、スーパー大回転11位、スーパー複合5位。得意の大回転は10日、回転は12日にある。「調子を保ち、楽しんで滑ってほしい」。情野さんは連日、テレビを見て鈴木に声援を送っている。

北京冬季パラリンピックで鈴木が使用している白いシートと黒のカウル

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