<撮れたて とうほく食紀行>バナナ ハウスでたわわ/福島・広野

 室温は約25度。南国のようなハウスの中で、たわわに実り、青々と輝く。福島県広野町が特産化を目指すバナナの収穫だ。

 寒い東北でバナナ栽培は難しい。2018年秋、町振興公社が苗150本から始めた。東京電力福島第1原発事故から立ち上がる人々の姿を重ね、挑戦を続けている。

 先進地の岡山市に学び、新技術で品種改良された苗の生育を促す。ハウスを温める地中熱の活用も始めた。寒さを克服し、昨年はハウス3棟で1万2000本まで収量を上げた。

 収穫した青いバナナは1週間追熟し、食べ頃の黄色になる。「もちもち、なめらかな口当たりで甘い」と味は評判だ。無農薬栽培とあって皮ごとおいしいと食べる人もいる。

 公募で決まったバナナの愛称は「綺麗(きれい)」。今は1本300円で施設の直売所で販売する。中津弘文社長(64)は「果樹王国・福島の逸品に育て上げ、町を元気づけたい」と話す。
(写真映像部・小林一成)

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とうほく食紀行

 自然に恵まれた東北は食の宝庫。歴史に育まれた伝統食や、生産者が情熱を傾ける食材もある。カメラで斬新に切り取り、撮れたてをおいしくお届けする。

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