女川再稼働「反対」56% 安全性「不安」15ポイント減 河北新報社世論調査

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から11年が経過し、河北新報社は宮城県内の有権者を対象に原発に関する世論調査を実施した。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に「反対」「どちらかといえば反対」を合わせた反対意見は56・7%だった。「賛成」「どちらかといえば賛成」を合わせた賛成意見は41・5%だった。

初めて6割下回る

 2021年3月の前回調査は反対意見61・4%、賛成意見36・3%。東北電が計画する再稼働について、県民の過半数が否定的に受け止める状況に変わりはない一方、反対意見の割合はこれまでの調査で最も少なく、初めて6割を下回った。

 賛否の内訳は「どちらかといえば反対」34・7%(前回比3・6ポイント増)、「どちらかといえば賛成」27・0%(1・4ポイント減)、「反対」22・0%(8・3ポイント減)、「賛成」14・5%(6・6ポイント増)の順だった。

 地域別にみると、立地自治体の女川町と石巻市は反対64・2%(2・9ポイント増)、賛成35・0%(2・6ポイント増)。女川町は賛成が5・4ポイント減の61・5%、石巻市は反対が3・0ポイント増の65・5%で、それぞれ前回調査と同じく6割を占めた。

 重大事故を想定した広域避難計画策定が義務付けられている原発30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の登米、東松島、涌谷、美里、南三陸の5市町は反対58・1%(0・7ポイント増)、賛成39・0%(2・3ポイント減)。

「安全性に疑問」が最多

 反対の理由は「安全性に疑問」が最多の43・0%で、「使用済み核燃料の最終処分場が決まっていない」22・0%、「早期に再生可能エネルギーに移行するべきだ」17・4%となった。立地自治体では「安全性に疑問」が50・1%を占めた。

 賛成の理由は「再生可能エネルギーへの移行までに当面必要」が33・6%で最も多く、「地元経済への影響が大きい」が25・5%で続いた。前回調査と比べて大きく増えたのが「電気料金を安くできる」で、16・2ポイント増の23・3%だった。

 広域避難計画は「不十分」「どちらかといえば不十分」が6・2ポイント減の58・2%、「十分」「どちらかといえば十分」が3・5ポイント増の30・2%だった。不十分の理由は「汚染の広がり方の想定が不十分」42・4%、「渋滞発生など混乱が予想される」21・6%など。

 原発の安全性については「不安」「どちらかといえば不安」が15・4ポイント減の66・3%で、「安全」「どちらかといえば安全」が15・0ポイント増の33・1%だった。

 今後の原発政策に関しては、「段階的に減らして将来的にゼロ」が3・9ポイント増の69・1%で最多。「段階的に減らすが新しい原発をつくり一定数を維持」は1・1ポイント増の17・7%で、「いますぐゼロ」は4・5ポイント減の7・0%となった。

 東北電は3月30日、2号機を24年2月に再稼働させる方針を示した。安全対策工事の完了時期は22年度中から23年11月に延期した。

[調査の方法] 宮城県内の有権者を対象に3月12、13日、コンピューターで無作為発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは841件、うち609人から回答を得た。地域別の内訳は、女川原発が立地する女川町と石巻市計156人、女川原発30キロ圏内5市町(登米市、東松島市、涌谷町、美里町、南三陸町)計152人、その他の市町村301人。集計では、地域別や性別、年代別など有権者の構成に合わせ、ゆがみをなくす補正をした。

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