JR陸羽西線、廃線に危機感 国道トンネル工事で2年運休

全線運休前の11日、JR陸羽西線の古口―高屋間を走る列車=山形県戸沢村

 山形県新庄市の新庄駅と庄内町の余目駅を結ぶJR陸羽西線(10駅、43キロ)が14日、並行する国道トンネル工事のため約2年の全線運休に入った。運休期間中、JRは代替バスを運行する。沿線の過疎化が進む赤字路線だけに「2年も運休したら廃線につながるのでは」と住民らから不安の声が上がっている。

「運行困難」目安大きく割り込む 住民から不安の声

 戸沢村の古口-高屋にあるトンネルの真下に、国土交通省が国道47号バイパスの一部となるトンネルを新設。二つのトンネルは近接し難度の高い工事となる。JRは乗り換えの利便性を考慮し、区間運休ではなく全線運休とし、代替バスを走らせることを決めた。

 代替バスは1日上下18本だった鉄道ダイヤより多い23本を運行。運賃は同額で、停留所も各駅前に設ける。ただ、新庄-余目の所要時間が約50分から1時間半になるなど、利便性の低下も否めない。庄内町の高校に通うために利用する1年生男子は「2年は長いが我慢するしかない」と話す。また、運休中は「奥の細道」や沿線の温泉を軸にした陸羽東線(小牛田-新庄)との観光連携も難しくなる。

建設が進む新庄酒田道路・高屋トンネル出入り口。この先の高屋駅近くでJRのトンネルと地下で交差する。右側は国道47号=山形県戸沢村

沿線自治体は本数維持求める

 同線で新庄-余目の全線を日常的に利用する乗客は少なく、東側が新庄市、西側が酒田、鶴岡両市の学校に通う高校生の利用が主力。少子化で生徒が減っている上、私立高がスクールバスを運行したり、親がマイカーで送迎したりするケースも増え、利用減に拍車が掛かっている。

 2020年度の1日当たりの平均乗客数(輸送密度)は163人。国鉄が民営化した1987年度(2185人)の7%にまで激減し、「運行困難」の目安とされる2000人を大きく割り込んでいる。

 JR東日本は今月10日、利用者が少ないローカル線の収支を年内の早い段階で公表する方針を示した。不採算路線を巡っては、JR西日本が4月、収支を初公表し、バス転換など代替交通手段について地元と協議する意向を示している。

 陸羽西線について、JR仙台支社の担当者は「24年度中の再開を目指す。時期は工事の進み具合による」と話し、廃線の可能性については「コメントする状況にない」としている。

 酒田市や新庄市などの沿線自治体は近く、着実な再開通と再開後の運行本数維持をJRに求める。陸羽東西線利用推進協議会長を務める山尾順紀新庄市長は「従来にも増してJRの利用促進と沿線活性化に知恵を出していきたい」と話す。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る