2020年1月に経営破綻した百貨店「大沼」の前身を含めた320年間の歩みを、山形市中心街の変遷とともにたどる書籍「さよならデパート」が4月、出版された。山形市の飲食店経営で大沼の元取引先だった渡辺大輔さん(41)が1年以上取材を重ね、執筆した。
江戸時代に山形城下の七日町で荒物屋として始まった大沼。戦後に百貨店となり、周辺の商店としのぎを削りながら発展、やがて苦境を強いられていく様子が、中心街の情勢や全国的なデパートの動きとともにつづられている。
作中には、一時期、大沼とともに中心街に並んだ十字屋、山形松坂屋、ダイエーをテナントに据えた山交ビル、ジャスコといった大型商業店も登場する。時代によって商売敵になったり味方となったりと変化する関係性を、ドラマチックに描いた。
渡辺さんは、大沼閉店後の20年夏に開かれた閉店セールの盛況ぶりを目にし、「誰かが大沼のことを書き残さなくてはいけない」と執筆を決断。取材を進めるうちに、大沼の持つ歴史の深さに魅了された。
「倒産を『時代は変わった』の一言で片付けるのは簡単だが、大沼の生き抜いた歴史は山形の商業史そのもの。忘れ去られてはいけない」。大沼の元社長や従業員、ライバル店の関係者など30人以上の証言や膨大な史料をまとめた。
作品は、山形市が商業的な結び付きを強めていった仙台市との関係にも触れる。大沼の百貨店への転身には当時、「仙台から山形に百貨店の進出計画がある」といううわさが影響したことや、大沼が藤崎、仙台三越といった仙台市の百貨店との競合に苦しんだことなどが紹介されている。
渡辺さんは「山形にとって仙台への接近は功罪をはらみ、両者の関係は非常に複雑。その中で山形の強みとは何かを考える必要があると感じた」と振り返る。
渡辺さんは「作品を通して大沼や山形の商業史に愛着を持ってもらい、『デパートのない街』の未来をどうするかを議論するきっかけにしてほしい」と語る。
スコップ出版刊。B6判304ページ。1980円。連絡先は合同会社傑作屋(渡辺さん)023(665)4290。
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