地震の揺れの大きさを測る計測震度計の設置場所を巡り、隣り合う二つの自治体が揺れている。宮城県で6強を観測した今年3月の地震で、白石市は5強、蔵王町は6強と差が出た。両市町は「白石は地盤が固すぎ、蔵王は弱すぎる」と口をそろえるが、設置場所の変更も容易でないようで…。(白石支局・岩崎泰之)
「結構揺れたわ。地震速報は震度2だから実際は3ね」。地震が起きた初夏のある日、白石市役所にいたパート女性(58)がつぶやいた。
地震のたびに市民の間で「白石の震度は低く出る問題」が話題になる。震度計の設置場所は市役所近くの図書館駐車場の一角。一帯は地元でも特に地盤が固いとされ、「白石全体を表す震度としてどうなのか」といぶかる声が上がる。
3月の地震では市コンサートホールの天井が落下するなど22億円超の被害が出た。市幹部は「田んぼを造成した郊外の被害が大きかった。市の人口は中心部より郊外が多く、被害の実態と震度の階級に隔たりがある」と言う。東北新幹線が脱線したのも水田が広がる市郊外だった。
震度の大きさが国の災害査定に影響すると考える自治体関係者も多い。市幹部は「土木関係では国の支援内容が変わることはあり得る。かといって震度が高いのを喜ぶわけではないが…」と複雑だ。
一方、蔵王町では「震度が高く出る問題」が起きる。昨年2月、今年3月と続けて震度6強を観測したが、被害の大きさは6弱以下の自治体とあまり変わらなかった。
震度計は町役場1階トイレ脇の通路に置いてある。役場一帯はもともと水田だった。町職員は「いつも震度が高すぎる。地震のたびに災害対策本部を設置する必要を迫られ、報道の取材が殺到する」とため息を漏らす。
両市町は、設置場所の変更を県に相談したものの、白石は費用負担がネックとなって断念し、蔵王町は候補地が見当たらず実現しなかった。県内では女川町も昨夏、「石巻より数字が低いのでないか」との町議会の指摘を受け、県に震度計の追加を問い合わせたが、具体的な検討には至っていない。
発表された震度と体感的な揺れとの違いについて、仙台管区気象台は推計震度分布の活用を勧める。震度分布は表層の地盤に基づき推計され、地震の15~20分後に公表される。3月の地震で白石市は新幹線の脱線現場を含む市南側が広く震度6弱と示され、蔵王町も町役場周辺以外は6弱と5強に色分けされた。
地震火山課の畠山康憲調査官は「震度計は地震の情報を把握し、被害の推定や防災機関の初動体制、広域支援の確立に不可欠。発表される震度はその自治体の全ての震度ではない。震度分布も参考にしてほしい」と話す。
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