盛岡中心部でクマ目撃次々 駅周辺、住宅地、商業施設にも… 複数か、餌求め人里へ?

 岩手県盛岡市中心部の住宅街や商業施設密集地で8月中旬以降、ツキノワグマとみられる動物の目撃情報が相次いでいる。8月は山に木の実がなる前の「端境期」にあたり、今後もクマが餌を求めて市街地に現れる可能性があるとして、岩手県や市が警戒を呼びかけている。

16日にクマとみられる動物が目撃された商業施設近くの交差点=盛岡市本宮

 盛岡東署によると、市中心部ではこれまでに計六つの目撃情報があった。12日午後1時ごろ、JR盛岡駅から約400メートルの旭橋付近に体長約1メートルのクマが出没(地図1)。その後、川沿いを下ったとみられ、JR仙北町駅北側で目撃された(2)。午後9時20分には同市緑が丘の住宅地で見かけたとの情報があった(3)。

 16日夜には同市本宮の「MORIOKA TSUTAYA」など商業施設が立ち並ぶ場所でも、クマが道路を横断する姿が目撃された(4)。同署員や市職員が周辺をパトロールしたが、見つからなかったという。

 17、21日にも見かけたとの情報が続いた(5)、(6)。市の担当者は「中心部にこれほど頻繁に出没する例は近年なかった」と対応に追われる。

 クマの生態に詳しい青井俊樹岩手大名誉教授は、離れた場所で目撃されていることから複数のクマが山を下りてきていると推測。「川沿いの森林はクマが身を隠しやすい。餌を探して雫石川や北上川を下るうちに、市街地に迷い出てしまったのでは」と分析する。

 県によると、本年度の県内のクマの出没件数は7月末時点で1051頭と例年より少ないペース。一方で人身被害は19人と、昨年度の14人を既に上回る。

 山中での被害が目立つが、8~9月は山に食べ物の少ない端境期で、クマが農作物を求めて人里に現れることが少なくない。

 県自然保護課は7月、市街地にクマが出没する「アーバンベア(都市型クマ)」を想定した机上訓練を県警や猟友会などと初めて開き、対応を協議してきた。住宅密集地での猟銃の使用は鳥獣保護管理法で基本的に禁止されており、直ちに捕獲するのは難しいという。

 高橋秀彰主任主査は「関係機関で情報を共有し、住民に避難してもらうなどして人身被害を出さないことが重要。クマ出没が続くと慣れてしまうかもしれないが、見かけたらすぐ警察に通報してほしい」と話す。

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