花壇のクリスマスローズ、どこへ… 仙台市地下鉄・国際センター駅前 ボランティアが手弁当で栽培
仙台市地下鉄東西線国際センター駅(青葉区)北口前の花壇で、開花を控えたクリスマスローズが盗まれたと1月中旬、住民から「読者とともに 特別報道室」に情報が届いた。クリスマスローズは高価だが、愛らしい魅力を長く楽しめることからガーデニング愛好者に人気の花。心ない人に狙われた可能性もありそうだ。
冬から春に花開く多年草
被害に遭ったのは昨年12月中旬。花壇では、東西線沿線の市民らでつくるグループ「サンボランティア」が自宅から持ち寄ったり、専門店などで買ったりした花株を育てている。
クリスマスローズは昨年11月にグループのメンバーが栽培した20株を植えた後、手入れに訪れた男性メンバーが10株ほどなくなっているのに気付いた。花壇にはパンジーやビオラなどもあったが、クリスマスローズだけ掘り起こされていたという。
グループ代表の松田照夫さん(77)=青葉区=は「愛情を込めて育てていたものがなくなりショック。市民が手弁当で大切に育てていることを知ってほしい」と訴える。
園芸用品店ガーデンガーデン(青葉区)によると、クリスマスローズは冬から春にかけて花開く多年草。種から育てると花が咲くまで3、4年かかり、手入れが良いと10年以上楽しめる。
価格は1株1000~7000円。冬に定番のパンジーやビオラ(100~500円)、葉ボタン(300円前後)よりも高値の花だ。小野真奈美副店長(41)は「生育に時間がかかり、花の少ない時期に華麗に咲くためファンが多く重宝される」と説明する。
泉区の桂島緑地でも2021~22年、自生する野草が掘り起こされてなくなるケースが数件あったという。
緑地の保全に取り組むボランティア団体「桂島緑地未来プロジェクト」代表の大竹利幸さん(70)=泉区=は「一度になくなる数は少ないが、何でこんなことをするのかと思う」と残念そうに話す。(早坂奏子)
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