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被災跡地を活用、笑顔集う場に あすイチゴ狩り園開所 東松島・野蒜

イチゴの出来を見る鈴木さん(左)と門脇さん

 東日本大震災で被災した東松島市野蒜に11日、イチゴ狩りが楽しめる「あそら農園」がオープンする。被災跡地を活用して観光を盛り上げ、震災前以上のにぎわいづくりを目指す。

 農園は奥松島運動公園体育館の東名運河を挟んだ向かい側にあり、20アールの温室で約1万2000株を育てる。近くの観光商業施設「奥松島クラブハウス」を運営するアークリンク(東京)グループの農業生産法人「アソラ」が開設した。

 品種は甘みと酸味のバランスが良い「よつぼし」。昨年12月に県内への出荷が始まり、イチゴ狩り施設としての準備を進めてきた。生育状況にもよるが、開園期間は6月初旬までを見込む。

 駐車場事業などを手がけるアークリンクは震災後、東北の復興に農業で貢献しようとアソラを立ち上げ、大崎市鹿島台にイチゴ農園を整備した。複数品種を出荷していたが、2019年の台風19号で浸水被害を受けて中断。21年3月にオープンしたクラブハウスとともに地域を盛り上げようと、温室ハウスを移してイチゴ栽培を再開した。

 県内で体験できるイチゴ狩りは30分制が多いが、45分と長めに設定した。管理圃場責任者の鈴木隆介さん(41)は「1~2月はイチゴがおいしい時季で、甘みも乗ってきた。時間を気にせずゆっくりと味わってほしい」と話す。

 周辺では市が被災跡地を活用した果樹園整備を計画する。アソラ取締役でクラブハウスの支配人も務める門脇善行さん(41)は「以前はたくさんの住宅があった場所。年代問わず多くの人に来てもらい、震災前以上にエリア全体ににぎわいを生みたい」と語る。

 要予約。開園は毎週火、水、土、日曜日。午前10時~午後3時(最終入場2時)。連絡先は奥松島クラブハウス0225(98)8123。

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