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東松島市、初の津波避難タワー整備へ 2024年度の完成目指す 矢本運動公園内

市が津波避難タワーの設置を計画する矢本運動公園

 東松島市は市内への設置を検討していた津波避難タワーについて、市矢本運動公園内に整備する方針を固めた。2024年度の完成を目指し、16日開会の市議会2月定例会に提出する23年度一般会計当初予算案に関連予算約1030万円を盛り込む。

 市内で避難タワーを整備するのは初めて。公園内の設置場所や施設規模は検討中で、津波災害時は高齢者や障害者といった要支援者とサポートする人の一時避難先として活用する考え。

 市によると、矢本運動公園周辺の大曲地区や矢本地区は沿岸部から平たん地が広がり、住民からも垂直避難ができる避難タワーの整備を望む声があった。市内では今後、避難路となる道路の拡幅も進める方針。

 市は昨年9月に日本海溝・千島海溝沿い巨大地震の「津波避難対策特別強化地域」に指定され、指定自治体は避難タワーなどを整備する際に国の補助率が2分の1から3分の2に引き上げられるため、避難タワーの設置を検討していた。

 昨年5月に県が公表した新たな津波浸水想定では、市の浸水面積は東日本大震災時の1.3倍に当たる49.2平方キロメートルに及ぶ。津波発生時に使える指定避難所は21カ所のうち13カ所が浸水域に入り、地域ごとの避難場所の見直しを進めている。

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