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いしのまき食探見>米粉 食感と風味良く、万能

チョコクロワッサンなど米粉を使ったパンが並ぶLovely Sweets Factory店内

 海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。

米 粉          

 料理や菓子などに小麦粉の代わりとして使われる機会が増えている米粉。災害時の非常食として、防災訓練や防災学習への活用と用途は広がっている。

 小麦粉にはグルテンというタンパク質の一種が含まれるが、米粉には含まれていない。グルテンは体質によってはアレルギー源となる可能性もあり、「米粉は小麦アレルギーの人も食べられるグルテンフリー食材」(農業関係者)だ。

 いしのまき農協総務課の及川香織さん(44)は「米粉を使ったお菓子はもちもちとした食感が特長。揚げ物は油の吸収が少ないのでからっと揚がる。ケーキや天ぷらの衣、カレーやシチューのつなぎとさまざまな調理に使える万能な食材」と魅力を語る。

 全てのパンに米粉を使用し、約30種類を提供している店もある。社会福祉法人「夢みの里」の就労継続支援B型施設として2021年にオープンし、22年5月にリニューアルした「Lovely Sweets Factory」(石巻市鹿妻南1丁目)だ。

 法人のトータルサポートセンター「みんなの夢広場」の利用者2人と職員5人が手がける。広場の阿部たけみ副施設長は「米粉特有の食感の良さとおいしさが好評で、時間帯により品切れの場合もある」と話す。
(浜尾幸朗)

<メモ>
 米粉の多くはうるち米やもち米の白米を原料とする。いしのまき農協によると、管内の米粉用うるち米の生産量は540キロ(2022年3月現在)。製品の「さらりんこめ粉」(500グラム、300円)は同農協各営農センター店舗で販売中。

米粉タルト

 同農協が生産する「さらりんこめ粉」を材料に、家庭で楽しめるイチゴを使った「米粉タルト」のレシピを紹介する。

旬のイチゴのおいしさを生かした「米粉タルト」

<A>タルト生地 
・さらりんこめ粉100グラム
・砂糖30グラム
・卵1個
・バター30グラム
・バニラエッセンス数滴
(1)ボウルに米粉と砂糖を混ぜ合わせ、卵と溶かしバター、バニラエッセンスを加えよく混ぜる。
(2)(1)を冷蔵庫で約1時間寝かせる。
(3)オーブンを180度に予熱しておく。生地を厚さ5ミリほどに伸ばしてタルトの型に敷き詰め、180度で15分焼く。

<B>カスタードクリーム
・卵1個
・砂糖50グラム
・さらりんこめ粉30グラム
・牛乳300ミリリットル
・バター10グラム
・バニラエッセンス数滴
(1)鍋に卵を割り入れ、砂糖、米粉、牛乳を順に入れ泡立て器で混ぜる。
(2)鍋を中火にかけ、木べらで焦げ付かないように底からよく混ぜる。とろみが付いてきたら1分ほど弱火で練り、火を止める。
(3)バターとバニラエッセンスを加えてさらに混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で冷やす。

 粗熱が取れた<A>の生地に<B>のカスタードクリームを入れ、その上にイチゴを飾り付ける。

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