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「#私は仙台のここが好き」 ツイート2278件には魅力いっぱい テキストマイニングで調べてみた

 「#私は仙台のここが好き」。ツイッターで12~14日、こんなハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が広がり、一時トレンド入りしました。どんな内容がつぶやかれたのか、分析してみました。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

都会過ぎず、田舎過ぎず、程よい

 「#私は仙台のここが好き」を含んだ投稿は6日から14日正午までに計5765件あった。リツイート(転載)を省いた2468件から、トレンドワードだけを機械的に羅列した2アカウントの投稿を除いた2278件を対象とした。

 文章を単語ごとに分割するテキストマイニングという手法で、特徴的な言葉を大きく図示する「ワードクラウド」を作成すると、次のようになった。青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞を表している。

 名詞は「都会」が363回、「田舎」は241回登場した。出現パターンが似た単語を線で結んだ「共起ネットワーク」を参照すると「程よい」や「過ぎない(過ぎず)」とともに使われていた。つまり「都会過ぎず、田舎過ぎず、程よい」街の規模が支持されている傾向が読み取れる。

「#私は仙台のここが好き」を含んだツイッター投稿のワードクラウド=ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/ )

「おいしい」最多322回登場

 形容詞は「おいしい(美味しい)」が最多322回登場した。「牛タン」(115回)「食べ物」(99回)「酒(日本酒、地酒、居酒屋)」(51回)などが前後に登場しており、飲食物のおいしさを誇る投稿が多かった。

 「住みやすい」は93回、「過ごしやすい」は34回それぞれ登場した。雪の少なさといった気候面、自然・緑の豊かさ、海や山、温泉への近さといった環境面、東京や東北の他県へのアクセス面についての魅力を挙げた投稿も目立った。

一緒に出現する単語を結んだ「共起ネットワーク」=ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/ )

つぶやきの輪広がる

 投稿を呼びかけたのは、仙台周辺の地域情報を発信するウェブサイト「仙台つーしん」のライターずんださん( @sentu_zunda )。常々「ローカルの情報をより多くの人に届ける方法はないか」と考えていた中で、10日にフォロワーが4万に達したタイミングを生かす「実験」を思いついた。

 開始時刻に定めた12日正午から1時間で72件の投稿があった。その後、タグを目にしたインフルエンサーや企業アカウントが共感を寄せ、雪だるま式につぶやきの輪は大きくなった。

■ご当地キャラクター「仙台弁こけし」
( @jugokeshi 、約4万9000フォロワー) 
「温泉が最高だっちゃだれ~」

■気象予報士小杉浩史さん
( @Hirofumi_Kosugi 、1万6000フォロワー) 
「全県庁所在地の中で最も“暑すぎず寒すぎない”気候(年間の真夏日日数と真冬日日数の平年値合計が23・8日で最少)」(抜粋)

■仙台発のバーチャルアイドル「大森杏子(おおもり・あんこ)」
( @ankoomori 、3万フォロワー) 
「都心ほどじゃないけど欲しいものは大体売ってる(無ければ通販で買えば良いし)人口も多くなくお店に並ぶことも少ないし住みやすい」(抜粋)

■仙台藤崎百貨店【公式】
( @fujisaki_dept 、1万フォロワー) 
「皆さんの仙台愛&宮城愛あふれる投稿に深く共感しております 
♪好きさこの街がいつでも 
♪好きさこの街がいつまでも」(抜粋)

東北自動車道仙台宮城インターチェンジ(IC)の駐車場に設置された大森杏子の情報掲示板=2014年8月

住む街を考えるきっかけに

 「ハッシュタグが自分の手を離れて、どんどん広がっていく様子が見え、新たな発見があった」とずんださん。「動画やゲームに費やす時間が増えているスマホ中心の世の中で、ふと自分の住む街について考える時間ができるきっかけになったのなら、そこに意味があった」と喜んだ。

 ちなみに、記者が今回のハッシュタグ祭りに参加しなかったのは分析に影響を及ぼす可能性があったため。と言いたいところだが、単に乗り遅れたからだ。遅ればせながら投稿するとしたら「仙台の好きなところを持っている(元を含めた)仙台市民がたくさんいるところ」だろうか。

〔きらりと光る少数意見〕
・ササニシキがスーパーで買える
・すてきな古着屋さんやカフェがある
・光のページェント 本当に奇麗
・人が多過ぎて具合悪くなることがない
・定禅寺通りでジョジョ立ち(※)しても何も言われない ありがとう杜王町(※仙台市出身の漫画家荒木飛呂彦さんの人気作品「ジョジョの奇妙な冒険」で登場人物が見せる独特な立ち方)
・全国ツアーと銘打ったコンサートは仙台が大概入っているので、推し活もそれなりに楽しめる
・ごみ処理のフローが完成されている
・蚊に刺されたことない。ゴキブリも見たことない
・悲しいとき、苦しいときも、いつも私の側には広瀬川が流れていた
・片側8車線の初見殺しの交差点がある
・イイネだけしないでちゃんとお店に来てくれる
・八乙女光(Hey! Say! JUMP)っていう世界一のイケメンを生み出した所って事よ
・リトルトーキョー目指して気取っている割にはどこかあか抜けなくて東北っぽさがそこかしこにある
・プロスポーツチームがそろっていて一年を通してスポーツが見にいける
・ユアスタってアクセスも見やすさも最高だと思うの
・区の名前に方角の名前をつけなかったところ
・新婚旅行は海外興味なくて、仙台に2回行った
・「ハイキュー!!」(高校生のバレーボール部を題材にした人気漫画)の聖地
・刺し身がうまい
・陸海空の移動手段全てがそろっているところって他に名古屋ぐらいしか思いつかないんだよね
・ヤンヤンヤヤー八木山のベニーランドが好き
・文字数制限で言い尽くせません
・お婆ちゃんが財布からカードをぶちまけてしまっただけで、遠くにいた人まで集まって7人くらいの人が一斉に拾いにいって、しかもその後にこにこと世間話までして、あったか空間すぎる
・「世界一地震に強い街」。津波にのまれ、がれきにつぶされ、それでもここまで復興させられたのは多くの方の支援と、宮城人の〝静かなるたくましさ〟があったから

都会と田舎の良さを程よく兼ね備えた住みやすさが魅力の仙台

ツイート収集には、東京大大学院工学系研究科の鳥海不二夫教授(計算社会科学)がウェブサイトで公開しているツール「Web Tweet Crawler」を活用した。テキスト分析には、ベンチャー企業のユーザーローカル(東京)が提供するツール「AIテキストマイニング」( https://textmining.userlocal.jp/ )を用いた。

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