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「友好関係、深めよう」 駐チュニジア全権大使が石巻来訪 桃生中で講演

国際理解をテーマに講演する大菅氏=8日、桃生中
桃生中生からの質問に答える大菅氏=8日

 在チュニジア日本大使館の大菅岳史特命全権大使(60)が8、9の両日、石巻市を訪れた。8日には同市桃生中(生徒178人)で国際理解をテーマに講話し、チュニジアについてPRした。9日には斎藤正美市長を表敬訪問。日和山や北上川河口沿いで東日本大震災からの復興の様子も視察した。

 桃生中では桃生地区にある「カルタゴ通り」の由来となった同国のカルタゴ地区などの日常の写真を用いながら文化の違いや特色について説明。世界の貧困やロシアのウクライナ侵攻による影響などの時事問題にも触れた。

 チュニジアはイタリア対岸の北アフリカに位置し、地中海性気候でオリーブが特産。ローマ帝国、オスマン帝国による支配やフランス植民地時代の影響があり、ローマ帝国時代の水道橋が現存することや、イスラム教徒の礼拝所のモスクだけでなく教会もあるなど、文化が入り交じっていると紹介した。

 3年の遠藤千晴さん(15)は「チュニジアの詳細を知ることができ面白かった。フランスなどのさまざまな文化が入っていることが興味深かった」と語った。

 桃生地区とチュニジアは1992年にチュニジア出身の東北大留学生が旧桃生町にホームステイしたことをきっかけに、同国と親交を深めている。

 大菅氏はこれまで国連政府代表部や国際協力局などで勤務し、国外から日本への支援に関する仕事も多く担当。昨年10月に駐チュニジア大使に就任した。「整備された被災地を自分の目で見ることで、どれだけ甚大な被害を受けたかを改めて実感した」と話す。

 「石巻市とチュニジアには、桃生地区との縁や、北上地区のオリーブ栽培の共通点もある。石巻に合う品種を探るなど、交流のきっかけになるかもしれない。市民レベルでの友好関係の基礎を築くことを目指し、広告塔になれれば」と述べた。

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