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地域の教育力が学習意欲喚起 石巻市小中15校で多彩な協働活動、成果を報告

石巻市協働教育支援会議で本年度の活動を報告する関係者                       =1月31日、市役所

 石巻市の小中学校15校が「地域の教育力」を生かして子どもを育てる協働活動を展開し、成果を上げている。本の読み聞かせやプログラミング、米作り体験、町探検など多彩で、子どもの学習意欲の喚起につながっている。新型コロナウイルス下、学校の「地域と共に」という意識は高まり、地域によっては子どもとの関わりが生活に潤いを与えている。

 各校は3カ年の活動を支援する市協働教育推進事業に応募し、年10万円の助成を受けている。

 本年度、活動3年目の学校では、湊小がボランティアによる3年生以下の読み聞かせや、石巻専修大の講師から6年生が科学技術やプログラミングを学ぶ活動を実施。稲井小は5年生が地域の歴史に詳しい人の講話を聞き、太鼓の活動に取り組んだ。地域の人材発掘を課題に挙げる。

 飯野川小は5年生が収穫したもち米を道の駅「上品の郷」で販売したほか、法印神楽などの伝承活動を実施した。米の販売活動は「充実感があり、子どもの成長につながった」(千葉宏樹校長)。

 河北中は中学生の視点で全学年が避難所設営訓練に臨み、多様な避難者への対応を考えた。総合支所から助言を受けた。北上中は外部講師を招き追波湾やエネルギーについて学習した。来年度は生徒たちが地域を活性化させるアイデアを考え、学んだことを地域に還元するためシンポジウムなどで発信していく。

 活動1年目の住吉小は2年生が町探検をした。地域の商店を中心としたさまざまな場所を訪問、身近な地域の場所と自分との関わりに気付く学びの場となった。高学年は科学巡回教室で専門的な知識を学び、キャップハンディ体験もした。

 来年度への課題として「学校と地域が双方向の連携・協働の体制を構築できるように情報の発信や収集に努めていく」(大場嘉博校長)という。

 石巻市では2024年度には全ての小中学校に地域住民らが学校運営に参画するコミュニティ・スクール(CS、学校運営協議会制度)が整備される。市教委は23年度で市協働教育推進事業を終了し、地域と学校が連携・協働し一体となって子どもを育む「地域学校協働活動」とCSを一体的に推進していく。

 来年度は協働教育推進事業の募集は行わず、活動3年目と2年目の小中計10校が10万円の助成を受けて取り組みを進める。

 市役所で1月31日にあった本年度第2回市協働教育支援会議で、委員から補助終了後に活動を継続するための財源確保を求める意見が相次いだ。宍戸健悦教育長は「『継続性と広がり』がキーワードとなる」と述べ、新たな予算についての検討や環境整備を進める考えを示した。

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