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国交省、災害時海上輸送で石巻市と協定 全国初 塩釜港湾・空港事務所の業務艇活用

協定書を披露する斎藤市長(左)と瀬戸所長

 石巻市と国土交通省塩釜港湾・空港整備事務所は2月27日、災害支援協定を結んだ。陸路が寸断されて孤立した集落などに対し、同事務所の港湾業務艇を使って物資や人員を輸送する。国交省が災害時の海上輸送に関する協定を市町村と結ぶのは全国で初めて。

 協定では、災害で市内に孤立地域が発生した場合、船舶で支援物資や救助隊を届けたり、被災者を孤立地域から避難させたりする。東日本大震災などこれまでの災害でも海上輸送の支援は展開してきたが、協定締結によって合同訓練や連携態勢の確認を進め、スムーズな対応につなげる。

 近年の気候変動で豪雨や土砂災害などが全国的に相次ぎ、海上からの救援活動の事例が増加。国交省は港湾機能を活用した災害対応を強化するため、市町村などと協力態勢を構築する「命のみなとネットワーク」の形成を進めている。

 協定の締結式が市防災センターであり、斎藤正美市長は「震災の時も海上輸送はありがたかった。港湾は広域的な役割を果たす。所在する自治体の責務として防災、減災に取り組む」と述べた。同事務所の瀬戸祐介所長は「地域の関係機関との連携、ネットワークの構築も必要。災害対応能力の向上に貢献したい」と語った。

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