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卒業制作はイワガキ水揚げ300キロ 宮水高生、前網浜沖で授業総仕上げ

海中からイワガキを引き揚げる生徒ら
生徒が育てた「4年もの」のイワガキ

 宮城水産高は2月24日、石巻市の前網浜沖で、生徒が養殖したイワガキ約300キロの水揚げをした。生産から流通までを学ぶ授業の一環で、3年生の卒業制作を兼ねた。海洋総合科生物環境類型カキ班の生徒7人が県漁協寄磯前網支所の協力を得て取り組んだ。

 イワガキは水深7メートルほどの海中につるした養殖ロープに付着している。生徒らは船で移動し、巻き上げ機を使って3本のロープを引き揚げた。カキは「4年もの」で、殻の大きさは20センチほどに育っていた。

 同校では石巻地方でのイワガキ栽培定着化の道筋を探るため、1997年に養殖を開始。2010年に初めて水揚げし、石巻魚市場に出荷した。しかし11年は垂下したばかりのものを含め全てが東日本大震災の津波で流失。漁業再建が最優先される中、栽培の実証実験を自粛してきた。

 19年の再開後は毎年後輩に引き継ぐ形で作業を続けている。春から実家のホヤ養殖業を手伝う木村優輔さん(18)は「実家の仕事にも生かせる経験ができた」と喜び、鈴木星希さん(18)も「学んだことを将来につなげたい」と話した。

 夏に旬を迎えるイワガキは、冬のマガキに比べて身が大きく濃厚な味わいが特長。市場ではマガキの3倍の高値が付くという。

 同校が育てるマガキとイワガキは「ヤマトナデシコ」のブランド名で商標登録されており、海外輸出に向けた買い取りの依頼もあるという。

 24日に水揚げしたものは翌25日、石巻魚市場に出荷され、競りにかけられた。

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