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自慢の商品アピール 石巻フード見本市、3年ぶり復活 全国からバイヤーら380人

29社が自社商品を売り込んだフード見本市
共同開発した「金華さば」のみそ煮を試食するバイヤー

 石巻地方の水産加工品など特産品をアピールする「2023石巻フード見本市」(実行委員会主催)が3日、石巻魚市場であった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続き、開催は3年ぶり。石巻市や女川町の水産加工会社など29社が出展し、全国から足を運んだ百貨店や商社のバイヤーら約380人に自慢の商品を売り込んだ。

 各社がブースを設け、サバやホタテ、タラコ、カキなどの加工品や、しょうゆといった調味料などを並べた。試食品を用意した企業もあり、実際に味わってもらいながら調理法や商品の特長などを紹介した。

 看板商品の三陸産カットワカメやノリのふりかけなどを案内した富士国物産(石巻市渡波)の遠藤祐二郎社長は「見本市の復活は大きな前進。水揚げ不振などで我慢の時期が続いているが、浮上のきっかけになればいい」と期待を寄せた。

 水月堂物産(同市流留)は、ホヤの乾燥珍味「ほや酔明」の新商品であるシークワーサー味やホヤのおにぎりなどを案内した。阿部壮達常務は「地元の会社が一堂に会して商品を売り込む機会はあまりない。他社の商品やブースを見るのも勉強になる」と刺激を受けていた。

 特別企画コーナーでは、石巻の新名物として売り出し中の「石巻あなご」やブランド魚「金華さば」などを紹介。市が実証実験しているウニ、ギンザケの陸上養殖についてもPRした。

 開会セレモニーであいさつした実行委員会会長の青木八州石巻商工会議所会頭は「石巻の食の魅力は高い。多くの成約に結び付き、参加企業の発展につながることを期待したい」と述べた。

「金華さば缶」好評 宮城水産高、地元企業と共同開発

 宮城水産高海洋総合科フードビジネス類型の2年生8人と水産加工会社STIミヤギ(石巻市魚町3丁目)が共同開発した「金華さば」の水煮とみそ煮も出展され、バイヤーの注目を集めた。

 原料の金華サバから水、塩、みそといった調味料に加え、缶まで県産品にこだわった「オール宮城」の自信作。最近、全国的にサバの不漁が話題を集めているだけに、バイヤーは足を止めて懇談する光景が見られた。

 試食したバイヤーは「水煮は素材の良さを感じた。仙台みそを使用したみそ煮もしっかりした味で地元消費者の口に合うと思う。オール宮城というストーリー性も良い」と、感想を話した。対応に当たったSTIミヤギの駒井浩明社長や担当者らも高い評価に笑顔を見せた。

 缶詰は各3万個用意し、20日にイオン東北の各店などで発売する。30日には2年生8人がイオンモール石巻で店頭販売にも参加し、PRに努める。売価はオープンプライスで498~598円を予定。

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