閉じる

震災支援に感謝 13回忌ミュージカル「100通りのありがとう」 東松島、石巻の市民ら熱演

石巻地方の市民らが出演したミュージカル

 東日本大震災で甚大な被害を受けた東松島、石巻両市の市民らが舞台に立ち、犠牲者への思いや寄せられた支援に対する感謝を伝える「心の復興 13回忌ミュージカル 100通りのありがとう」が4日、東松島市コミュニティセンターであった。

 2回公演で計約800人が来場。舞台は2部構成で、2~81歳の市民ら100人近くが出演した。作・演出などを手がけた寺本建雄さん(76)が参加者に聞き取った震災の体験がせりふとなり、出演者は自身の被災体験や亡くした家族への思いを表現した。

 津波で亡くなった消防団員役2人と他の消防団員との掛け合いでは、2人が水門を閉めた後で津波にのまれた経緯や、団員たちが遺体の収容や夜回りに奔走したエピソードも語られた。

 震災後に救助隊員や飲料水といった世界各国から寄せられた支援を紹介し、各国語の「ありがとう」が歌詞に盛り込まれた曲を歌う場面もあった。

 ミュージカルは2012年に東京・銀座で初めて上演。19年には震災遺構の旧野蒜駅でも披露された。

 来場した主婦尾形きみ江さん(70)は東松島市野蒜地区の自宅が被災し、現在は仙台市宮城野区に住む。「前回まで出演していたけれど、ミュージカルに出たことで自分自身が元気になれた。12年の重みを感じるとともに一人一人が輝いていて、胸がいっぱいになった」と話した。

 実行委員長の菅原節郎さん(72)は「震災で犠牲になった人たちを忘れずに前を向き、たくさんの支援への感謝を伝えたかった。その思いを少しでも届けられたかなと思う」と語った。

関連リンク

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告、休刊日などについては、こちらのサイトをご覧ください

ライブカメラ