港町のしょうゆに光 宮城・福島の7蔵元、宮城学院女子大と連携 第1弾を11日発売
東日本大震災で被災した宮城・福島両県の沿岸部にある七つのしょうゆ醸造元が、連携して販売促進を図る「港町のしょうゆ屋プロジェクト」を始めた。石巻地方からは山形屋商店(石巻市門脇町1丁目)と金華山醸造(同市万石町)が参加。第1弾は、魚との相性を追求したしょうゆを造った。震災から12年となる11日に発売する。
プロジェクトは、宮城学院女子大石原ゼミナールとの産学連携事業。昔ながらの醸造元が減っていく中、地域で脈々と受け継がれてきたしょうゆに光を当てようと、石原慎士教授の呼びかけで本年度に本格始動した。
港町では古くから地物の魚介類に合うしょうゆが製造されていることから、特性を生かした商品を目指した。塩釜はマグロ、気仙沼はカツオ、相馬はヒラメなど、各社が地元の魚のうま味を引き出すしょうゆを厳選。全7種類で共通デザインのボトルで売り出す。
山形屋商店は「サバに合う甘口しょうゆ」を商品化。締めさばの味を引き立てる、甘みととろみが特長のしょうゆに仕上げた。
金華山醸造の「イカに合う昆布醤油(しょうゆ)」は、淡泊な味わいに合うよう既存品を改良した。ほのかな昆布とカツオの風味がイカのうま味を引き出す。
プロジェクトの事務局を担う山形屋商店の山形政大社長(51)は「地魚をぜひ相性抜群の『地しょうゆ』で味わってもらいたい。味の違いを楽しみ、しょうゆに興味を持つきっかけになればうれしい」と話す。
150ミリリットル入りで、価格は700円程度。石巻地方では、いしのまき元気いちば(同市中央2丁目)で全種類を販売する。
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