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震災、復興の記憶刻む 石巻で門脇映画3部作一挙上映 青池監督、市民とトーク

「津波のあとの時間割」終映後のアフタートークに臨む元門脇小校長の鈴木さん(左)と青池監督=4日

 東日本大震災で被害が大きかった石巻市の門脇・南浜町地区を6年半にわたり撮影した青池憲司監督(81)=千葉県市川市=の「門脇映画3部作」上映会が4、5の両日、同市中央1丁目のシアターキネマティカであった。詰めかけた市民らは震災の恐ろしさと復興の記憶を改めて胸に刻んだ。

 上映されたのは「3月11日を生きて~石巻・門脇小・人びと・ことば~」(2012年公開)、「津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録~」(13年公開)、「まだ見ぬまちへ~石巻・小さなコミュニティの物語~」(18年公開)の3本。いずれもドキュメンタリー映画で、震災から12年になるのを前に初めて3本を一挙に上映した。1回終映ごとに青池監督の司会進行でアフタートークがあり、3部作に関わった市民が登壇した。

 そのうちの一人、震災時、門脇小校長だった鈴木洋子さん(72)は「あの子どもたちはどう生きていくんだろうという思いが映像に収まっていた。改めて記録する大切さを知った」と語った。

 「津波のあとの時間割」を見た大学4年生の阿部明日香さん(22)は当時、門脇小4年生だった。「南浜町に住んでいたので家も家族も失った。前向きに生きてこられたのは音楽があったから」と、映像に自分の12年間を重ね合わせた。4月からは保育士として新たな人生を歩むという。

 青池監督は「震災そのものは共有できず、うしろめたいものがあった。が、震災後なら共有できると思い被災地を撮り続けた。その3本をまとめて上映する機会をつくってもらった。映像を通して震災を語り合う場ができた」と語った。

 上映会はキネマティカを運営する石巻劇場芸術協会が企画、今後も石巻地方に関わる映画の上映に力を入れる考えだ。

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