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思い、つながれ 碑巡りの地図(1)石巻 南浜・門脇町エリア

 東日本大震災では自治体や寺院をはじめ、さまざまな団体、個人が無念の死を遂げた人々への思いをつなげようと慰霊碑を建立、あるいは未来への教訓を刻んだ伝承碑を作った。12年前のあの日に思いを寄せ、石巻地方の追悼の場所を巡ってみた。(庄司清信)

(1)石巻市慰霊碑

石巻市門脇町5丁目(南浜津波復興祈念公園)
建立:2021年3月11日

犠牲者のネームプレートが刻まれた慰霊碑

 石巻市が南浜津波復興祈念公園のオープン(2021年3月28日)に先立ち、震災からちょうど10年の2021年3月11日にお披露目した。市内で犠牲になった市内外の人、関連死など3695人の氏名プレートを住所(地域)ごとに並べてある。碑はアーチ状で、長さ34メートル、高さ1メートルの黒御影石製。震災前の南浜・門脇町地区は約4800人が住む住宅地だったが、津波と火災で全壊した。公園北側には市震災遺構門脇小がある。

(2)日和幼稚園被災園児慰霊碑

石巻市門脇町5丁目
建立:2019年3月10日

幼い命が奪われた教訓を忘れない

 幼稚園の通園バス内で津波と火災に遭い、亡くなった5人の園児のうち4人の遺族が被災現場近くに建立した。園児の背丈ほどある1・1メートルの石柱、それを包み込むような後ろの石板に「春の足音が近づいていた頃/愛する我が子が明日をも見れず突然旅立つ…」と、亡くなった園児の名を入れた遺族自作の詩が刻んである。

(3)村のはずれのお地蔵さん

石巻市門脇町2丁目
建立:2013年3月

日本古来の文化に願いを込めて

 特定非営利法人「被災地に届けたい『お地蔵さんプロジェクト』」石巻実行委員会が設置。追悼と鎮魂、津波の脅威と教訓を継承しようと、日本に古くから伝わる文化のお地蔵さんを通じて「いのちの絆」を訴える。

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