石巻水揚げの深海魚ナガヅカ、フライでおいしさPR 来月から市内5店で提供
石巻魚市場に水揚げされるものの、これまであまり活用されてこなかった深海魚「ナガヅカ」を使ったフライが誕生した。フードロス削減に力を入れる食品卸売業「かね久」(仙台市若林区)が水産関係業者など10社以上と連携し、ジューシーなフライに仕上げた。冷凍の状態で飲食店などに卸す。石巻地方では4月1日から石巻市内で飲食店を展開する「大森林グループ」の5店舗で提供される。
ナガヅカは「ノロンボ」とも呼ばれ、水深300メートル未満のエリアに生息している。タラのような白身で、底引き網漁で石巻魚市場に水揚げされるが、卵巣に毒があるなど加工に手間がかかることもあり、ほとんど活用されてこなかった。
かね久の遠藤伸太郎社長は石巻市出身。「仙台など20店以上での提供が決まっている。石巻の発展に役立てればうれしい」と話す。
フライには高級パン粉が使われ、ふっくらジューシーで香りもいいのが特長。お披露目会が20日、石巻市のぞみ野2丁目の石巻信用金庫総合相談センターであった。タルタルソースをトッピングしたフライやハンバーガーなど、大森林グループが開発したアレンジメニュー10品も紹介された。
藤静水産(石巻市渡波)社長で渡波水産加工業協同組合の近藤伸一組合長は「ノロンボがここまでおいしくなるとはびっくり。石巻は水揚げされる魚種が多いので、活用が進めばいい」と期待を寄せた。
大森林グループの林正徳社長は「店舗ごとに商品開発を行い、違ったメニューを味わってもらえる。消費をお手伝いし、地域に貢献できればいい」と話した。
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