「もっと意見交わしたい」 国際交流活動、生徒の成長後押し 桜坂高
石巻市桜坂高(生徒376人)で、国際交流が生徒の好奇心や意欲を刺激し、成長を後押ししている。同市の友好都市で中国・温州市の高校3年生とオンラインで交流した2年生は「楽しく、もっと意見を交わしたい」と次回の企画を期待する。ポーランドから短期聴講生として学校生活を送ったインガ・ソリスさん(16)のサポート役を務めた1年中津川和花さん(16)は帰国後も交流サイト(SNS)を活用してメッセージのやりとりを続けている。
2年生20人、中国の高校とオンライントーク
桜坂高の2年生20人が、中国・温州市の中高大一貫校の「英才学校」で日本語を学ぶ高校3年生約40人とオンラインで交流した。若者らしくフランクにトークや質問を交わし、和やかなムードで友好を深めた。同校が海外の学校と交流するのは初めて。
両市は1984年から友好都市関係にあり、2022年の日中国交正常化50周年を受け、温州市側から石巻市を通じて学校間交流の打診があり実現した。
英才学校の合唱団が「北国の春」を披露した後、生徒5人が学校や温州市の自然、食べ物、交通状況などを説明した。
桜坂高は生徒会副会長の佐々木静花さん(17)が、県内唯一の公立女子高である学校の歩みを紹介。「東日本大震災で被災した石巻市は新しいまちに生まれ変わろうとしている。機会があったら石巻、桜坂高に来てください」と述べた。部活動や文化祭、体育大会の様子を盛り込んだビデオ映像で学校を紹介した。
桜坂高の生徒たちは「中国ではやっている日本の物は」「一番難しいと思う科目は」「ポケモンを知っていますか」と質問。英才学校の生徒たちは「日本のアニメ」「ゲームは毎日しています」「数学」「分かりません」と答えた。
中沢輝博教頭は「この交流活動が生徒の国際理解を促し、国際協調の精神の育成につながることを期待している」と話した。
佐々木さんは「初めは緊張したけれど、楽しく貴重な経験ができた。留学生を招いてリアルな交流をしたい」と語った。
オンライン交流は2月16日に実施した。
1年生の中津川さん、ポーランドからの短期聴講生をサポート
インガさんは昨年11月1~25日、桜坂高1年2組(35人)に在籍し、通常の授業を受け、茶道部の活動を体験した。
帰国後、英語が得意な中津川さんはSNSを使って交流。日本とポーランドの文化や教育の違いを知り、いろいろな話をする中で仲良くなったという。
中津川さんは日本語以外でコミュニケーションを取ることが楽しいと実感し、他の言語の習得にも意欲を見せる。インガさんと異文化に接したことで「自分の可能性が広がり、成長できた。英語をメインに勉強し、本を読んでいろいろな国の文化を学び、見識を広めたい」と語る。
「次に会うならポーランドがいい」。彼女からいい刺激をもらったという中津川さんは将来の進路を模索しながらスキルアップに励む。
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