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東京の高校生有志「震災、風化させないで」 都内で被災地の現状報告

都内の高校生有志が都民と意見交換しながら、震災を伝えていくことの大切さを訴えた=東京・有楽町駅前地下広場

 東京都内の高校生有志が3月25、26の両日、東京・有楽町駅前地下広場で、東日本大震災で被災した石巻市などの現状を伝える報告会を開いた。発生から12年がたった今、「震災を風化させず、未来に伝えていかなければならない」という高校生たちの熱い思いが都民の心を捉えた。

 報告会を企画したのは都内の高校生有志でつくる団体「(3.11)∞実行委員会」。2014年に発足し毎年、被災地に足を運び、そこで学んだことをイベントなどを通じて都民に伝えてきた。新型コロナウイルス感染拡大で活動を一時自粛したが、昨年再開。頌栄(しょうえい)女子学院や立教女学院、桐朋など都内の高校から約40人の有志が参加。昨年8月と今年2月に分けて石巻をはじめ気仙沼、釜石、宮古各市など三陸地方を訪問した。

 報告会は「震災の意識を未来へ」をテーマに開催。桐朋高2年の原田琥太郎さん(17)が中心になり、石巻市大川地区で聞いた話を大きな紙に書いて展示したり、避難所シミュレーションコーナーを設けたりして伝えていく大切さ、防災への心がけを訴えた。

 石巻市を訪れた頌栄女子学院高1年の堀江理咲さん(16)は「(震災を)知ってはいたが、実際に被災地に来て門脇小が地震の引き起こした火事で燃えたこと、日和幼稚園の園児が津波の犠牲になったことなどを直接聞いて悲しく、苦しくなった」と語った。

 今回、参加した高校生たちは震災当時の記憶が残っている最後の世代とも言われる。堀江さんは「私たちより下の世代の人たちに、いかに伝えていくかが今後の課題」と強調した。

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