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石巻市公共交通チャレンジデー 職員、1回以上参加は23% 調査結果まとめ

 石巻市は昨年7~12月に月1回、職員にバスや鉄道での通勤を求めた「公共交通チャレンジデー」の実施結果をまとめた。1回以上参加した職員は回答者の23.4%で、そのうち自家用車などから切り替えた人は毎回40人程度にとどまった。退勤時間に合うダイヤや職場、自宅に近い路線がないことが利用しづらい要因になっていた。

 チャレンジデーは人口減少などで運営が厳しさを増す地域交通機関の利用意識を高めるのが狙い。対象は保育士を除く行政職の一般職員約1000人で、昨年7~12月の毎月第4金曜日に設定した。終了後の今年1月、参加して感じた公共交通の課題や参加できなかった理由などを調べるアンケートを実施した。

 アンケートには824人が回答。1回以上参加したのは193人で、1回当たりの公共交通利用者は朝が130人前後、夕方が120人前後だった。普段から公共交通で通勤する職員が約90人だったため、自家用車などから切り替えたのは朝が40人程度、夕方が30人程度とみられる。

 1日も参加しなかった人は631人(76.6%)に上った。参加できなかった理由(複数回答)では「退勤時に間に合う便がない」(162人)「職場や自宅付近に運行されていない」(160人)が多数を占めた。通勤途中に子どもを保育所や学校へ送迎する職員も多く「出勤前や退勤後の用事に利用しにくい」(106人)も目立った。

 参加者が利用した機関はJR仙石線・仙石東北ラインが最も多く、朝夕とも各回40%強。石巻線は朝夕とも各回10%強だった。路線バスは朝は各回10%前後なのに対し、夕方は5%前後に落ち込んだ。

 所要時間の変化は、日常から公共交通を使う人も含んだ「普段と変わらない」(58.5%)を除くと、「10分程度増加した」(18.1%)が最も多く、「30分以上増加した」(8.8%)が続いた。不便に感じた点は「退勤時の運行時間が早い」「自宅から最寄りの駅、停留所が遠い」が多かった。

 一方で、チャレンジデー後に公共交通での通勤に切り替えたという回答も4件あった。市地域振興課の担当者は「参加者は想定より少なかったが、公共交通を移動の選択肢に加えるきっかけになった。地域の交通機関を守るため、本年度は民間にも協力を呼びかけたい」と話した。

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