通勤は公共交通で 市職員に利用促進呼びかけ 石巻市長定例会見
石巻市の斎藤正美市長は8日の定例記者会見で、市職員にバスや電車での通勤を求める「公共交通利用促進デー」を6月に始めると発表した。
昨年度は「公共交通チャレンジデー」として実施。本年度はより多くの職員が参加できるよう毎月第4金曜のみだった設定日を毎週金曜に増やし、月に1回以上、通勤手段に鉄道、バス、タクシーを活用するよう呼びかける。
斎藤市長は「市職員の地域交通の維持に対する意識向上を図り、公共交通を率先して利用し全市的な推進に役立てたい」と述べた。
<観光大使に5人>
市は、市の魅力をPRする「いしのまき観光大使」に市にゆかりのある著名人5人を新たに任命した。任期は3年間。いずれも同市出身の自然写真家高砂淳二さんとダンサーの武藤真也さん。東日本大震災後に同市雄勝地区で支援活動を続ける書家・タレントの矢野きよ実さん。昨年の「石巻復興祈念マリンバコンサート」に出演したマリンバ奏者の塚越慎子さん、「いしのまきおでん大使」でもあるB級グルメの第一人者・柳生九兵衛さん。
斎藤石巻市長、一問一答
斎藤正美市長は8日の定例記者会見で、任期1期目の前半2年間を総括し、今後取り組んでいく課題などについて語った。
-2年間の手応えは。
「市民、職員、議会を含め、力を合わせ『オール市民』でものごとを進めるとの思いで2年間やってきた。公約で掲げたものの94%に取りかかり、自己採点では実現度は9割くらい。甘んじることなく、自らを律しながらさらに前に進めていく」
-残りの任期で力を入れる課題は。
「アフターコロナと復興後の地域経済の立て直しに躍起になって取り組み、少子化や人口減少対策にも力を入れる。交流人口拡大や企業誘致を確実に進めていく。第2県都・石巻として、住んでよかったと言われる誇りある町をつくっていく」
1期目折り返し、成果と課題
石巻市の斎藤正美市長が4月29日で1期目の任期を折り返した。2021年の市長選で新人4人の激戦を制し、12年ぶりの新トップとなって2年。地域に出向いて住民と対話する「動く市長室」の復活や子育て支援などの公約を進め、民間との連携にも力を入れる。今後、人口減少対策といった課題にどう道筋を付けていくか、手腕が問われる。
<ふるさと納税額、倍増>
「ふるさと納税で石巻市の応援よろしくお願いします」
市職員の多くがふるさと納税を呼びかけるメッセージと専用サイトなどのQRコードが入った名刺を使う。斎藤市長が、一人一人が市の営業マンとしての自覚を持つよう訓示し、名刺の活用を呼びかけた。4月には「ふるさと納税推進課」を新設。返礼品の充実やPRを強化している。
寄付額は就任前(2020年度)の約3億5700万円から、昨年度は約8億円にまで拡大。本年度は10億円を目標に掲げ、25年度には15億円達成を目指す。
民間との連携にも力を注ぐ。災害時支援や市民の健康づくりなどに関わる連携協定を、企業や団体などと積極的に締結。2年で少なくとも17件に上る。行動力を発揮し、会合などで市長自ら声をかけて締結に至ったケースも多い。
<財源確保に厳しさも>
公約の柱にも掲げた子育て支援では、15歳までだった医療費無償化の対象を18歳にまで拡大。一方で、県内の他自治体が推進している給食費の無償化は、独自での財源確保の厳しさから見通しが立っていない。
市内4カ所の学校給食センターのうち3カ所は老朽化が進む。4月には6小中学校に給食を提供する施設で急きょ改修工事が必要となり、この施設からの給食提供を休止するなど安定供給にさえ苦労しているのが現状だ。
ベテラン市議の一人は「国から予算を引っ張ってきて実現するのが市長の仕事。企業誘致といったトップセールスにも力を入れるべきだ」と注文を付ける。
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