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新任校長に聞く 石巻地方小中学校(上) 石巻小、蛇田小

新井雅行(あらい・まさゆき)さん、1964年11月東松島市生まれ。横浜国立大卒。振り出しは旧牡鹿町(現石巻市)網長中。県教委義務教育課指導主事を2度、涌谷中校長などを務めた。東松島市在住。
青木敏彦(あおき・としひこ)さん、1965年9月石巻市生まれ。福島大卒。振り出しは大崎市岩出山小。女川町女川小教頭、仙台市東宮城野小校長、志津川自然の家所長などを務めた。石巻市在住。

 県教委の教職員定期人事異動で今春、石巻地方の小中学校に新たに着任した校長に抱負や学校経営の方針などを聞いた。

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石巻小・新井雅行さん(58)

<自らの役割果たす力育む>

 宮城教育大付属中校長から着任した。元々は中学校の数学教諭で、小学校の勤務は初めて。「自分の世界を大事にして生きていく力、周りの人と手を取り合い社会の中で自らの役割を果たし生きていく力を育んでいきたい」と抱負を語る。

 本年度、重点に置いているのは(1)授業の中でも書く活動を大事にする(2)縦割り活動を充実させる(3)業間運動、外遊びを奨励する(4)本を読み、感想文や紹介文を書く-の四つ。

 「書く活動は学力向上だけでなく、自分の世界を広げることにつながる。縦割り活動は高学年が低学年の面倒を見ることで、『ああなりたい』と低学年にとって憧れのモデルとなる。上級生、下級生にとって学びの場となる」

 石巻小は6月4日に創立150周年を迎える。「石巻地域の教育の中心を担ってきた。その重みが子どもや教員にとって自分自身を律する力になる。子どもの学力と成長を保障できる教育活動をしっかり展開したい」と強調する。

 教員に対しては「子どもの成長に関われることが喜びであり魅力でもある。謙虚に学び続け、責任の重さを自覚し子どもに向き合ってほしい」と期待する。

 ジョギングが趣味。好きな言葉は「私を豊かにして公で生かす」。

蛇田小・青木敏彦さん(57)

<「明日も行きたい」学校に>

 蛇田小は児童733人の大規模校。「明日も行きたくなる学校」を目指し、学ぶ楽しさを実感させるとともに、自己肯定感や自己有用感を大切にした学級づくりを進める。

 昨今は子どもの自己肯定感が低いと言われる。「クラスの中に居場所があって、自分がクラスの一員として役立っている、必要とされているという気持ちを持たせたい」と語る。

 「教師は一人一人を理解し、個性を引き出す。居心地が良く、勉強したいという雰囲気があれば、学習意欲につながる。学級経営と学力向上は車の両輪と捉えている」

 「まず子どもの話を聞くことが大事。後は担任と子どもとの信頼関係を築く」とアドバイスする。

 昨年度からコミュニティ・スクールに移行し、学校運営に地域住民らが関われるようになった。「地域の学校として見守ってほしいし、子どもを育てることに対し、保護者、地域と同じ方向で進んでいきたい」と強調する。

 毎朝、昇降口に立ち、登校する児童とあいさつを交わす。「子どもから元気をもらい、一日をスタートさせる」と笑顔で話す。教諭時代、児童とよく遊んだ。成人した石巻市須江小の教え子から招待され、2度目の修学旅行も経験した。

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