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思い、つながれ 碑巡りの地図(9)石巻 東部・雄勝エリア

 東日本大震災では自治体や寺院をはじめ、さまざまな団体、個人が無念の死を遂げた人々への思いをつなげようと慰霊碑を建立、あるいは未来への教訓を刻んだ伝承碑を作った。石巻地方の追悼の場所を巡る。

(1)雄勝地区慰霊碑

石巻市雄勝町伊勢畑(雄勝地区震災慰霊公園) 
建立:2019年3月

合掌をモチーフしたモニュメント

 リアス式の海岸線に囲まれ、約240人の犠牲者が出た雄勝地区。津波で大勢の犠牲者が出た雄勝病院があった場所に、市が祈りと震災記憶伝承の場を整備した。犠牲者の名前を刻んだ慰霊碑「祈りの塔」と合掌した手のひらをイメージしたモニュメントがある。モニュメントの周りには「3.11」を表現した石柱が並んでいる。

(2)雄勝病院犠牲者慰霊碑

石巻市雄勝町伊勢畑(雄勝地区震災慰霊公園内)
建立:2019年3月

多くの犠牲者が出た病院跡地に建立

 雄勝湾を目前に望む雄勝病院は16メートルの大津波にのみ込まれ、自力では動けない入院患者と職員の計64人が犠牲になった。病院職員遺族会や支援する会が建てた碑には「医療人としての強い責任感と高邁な使命感で、自立歩行が困難な入院患者を守るため懸命に努力しました」と記してある。

(3)名振地区津波の教え石

石巻市雄勝町名振(名振東防災集団移転団地)
建立:2016年2月

駈け上がる少女像。左側は昭和大津波の石碑

 奇祭「おめつき」で知られる名振地区。9人が犠牲、83世帯が流失した津波の教訓を伝えようと住民の実行委員会がボランティアグループや住宅メーカーなどの協力で建立。高台に駆け上がる幼女をイメージし、「未来につなぐ命」から始まる碑文は地元出身者が考案した。左隣は昭和8年津波の碑。

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