洪水への備え万全に 国交省・北上川下流河川事務所、出水期控え演習
梅雨や台風など本格的な河川の出水期を前に、国土交通省は12日、洪水対応演習を全国一斉に実施した。石巻市蛇田の北上川下流河川事務所は管理河川の流域自治体など関係機関と連携し、有事への備えを確認した。
演習は台風による大雨で管理する北上川や江合川、鳴瀬川、吉田川などの水位が上昇したと想定。旧北上川では同市鹿又の堤防が約100メートルにわたって決壊し、最大で約12.3平方キロメートル、約440戸に浸水被害が発生する事態に対応した。
同事務所からは職員約80人が参加。情報収集、調査、広報など15班に分かれ、刻々と変化する状況に対処した。関係機関とオンラインで結び、各観測所の水位や破堤危険箇所を伝達。ダム放流の対策などを協議した。
石巻市とは斉藤喜浩所長と斎藤正美市長が情報を直接やりとりする「ホットライン」を実践。被害想定や住民への避難指示の内容などを共有した。
同事務所の間山隆之技術副所長は「近年は1時間当たり50ミリを超えるような豪雨が増えており、今までの経験が通じない部分もある。それに対応するためにも訓練が重要だ」と語った。
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