カンタータ「大いなる故郷石巻」 共に創る仲間紹介(1) 合唱指導
カンタータ「大いなる故郷石巻」(石島恒夫作詞、小杉太一郎作曲)公演が28日午後1時半から石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)で行われる。1973年の初演を皮切りに10年ごとに開催。今年は半世紀の節目、演出を新たにして臨む。「共に創ろう」を合言葉に励む仲間たちを紹介する。
石巻市・星由貴さん(53)
「プレッシャーはもちろんある」。開口一番、今の心境を明かした。
7年前に75歳で死去した石巻地方を代表する音楽家で声楽家の山田正明さんに代わって合唱部門の指導を引き継いだからだ。山田さんは10年ごとに開催されるカンタータをはじめ長年、石巻地方の音楽界をけん引してきた。
その「山田先生」の跡を継ぐ適任者として白羽の矢が立った。ピアニストとして活動する傍ら石巻合唱連盟や市民合唱団、水明ハーモニーなどを指導、石巻地方の音楽文化の発展に貢献してきた。
「覚悟を決めて臨んだ」
3歳から90代までの老若男女が集まった約170人の合唱隊をまとめようと誓った。
「改めて歌詞を読むと『いさな』や『たたら火』など、普段使わない言葉が随所に出てくる。まずは私自身、歌詞の意味を調べて、それを団員たちに一つ一つ理解させることだった。そうでなければ聴きに来た市民にもカンタータの本当の魅力が伝わらない」
4楽章から成るカンタータは石巻の歴史、文化、産業などを、市民オーケストラとともに高らかに歌い上げた古里賛歌である。
「一つ一つの歌詞、言葉を大事にしたい。初演から半世紀にわたり市民に愛されてきたカンタータを、次の世代に引き継ぐのが私の責任、役割でもある」
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