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考え伝える力を育成 ICT活用、グループワークも奏功 石巻・住吉小

グループワークを取り入れた国語の授業で自分の考えを発表する6年生

 校内研究で国語に取り組む石巻市住吉小(児童95人)で、物語や説明文を読み、自分の考えを分かりやすく伝える力の育成に力を入れている。情報通信技術(ICT)を活用したグループワークも授業に取り入れ、学習指導要領が重視する思考力や表現力もアップしている。

 前年度に始めた研究のテーマは「読みの力を高め、伝え合う児童の育成」。(1)自分の考えを相手に分かりやすく伝えることに苦手意識を持つ(2)文章の読み方や話の内容の聞き取り方について個人差がある-といった子どもの実態を踏まえた。言語活動を通して正しく理解し、適切に表現する力を育てるのが狙い。

 手だては(1)自分の考えを形成する学習過程の工夫(2)読みを共有する表現方法の工夫-の2点。各学年で物語文や説明文を指導した。具体的には(1)登場人物の心情を書き込ませる(2)繰り返しの表現で着目させる(3)読み取ったことをグループ内で共有させる-などした。 高学年は一つの文章の中で読みが深まっていく。物語の面白さだったり、説明文に何が書かれているかなど読み取る力を付けていく。学力向上にもつながる。

 互いの思考を共有・可視化できるタブレット端末や電子黒板といったICT機器の活用は、自分の考えを深め、広げることに奏功した。

 5年生は思考の共有やまとめの作業に取り入れた。自分の考えをどのような文章構成にすれば読み手に伝わるか、どのような資料を使うと効果的なのかを意識させながら取り組ませたことにより、自分の思いをより良く表現する力が伸びてきたという。

 大場嘉博校長は「ICTを使いながらグループワークをすることで互いに伝え合う力が付き、自分の考えを表現する意欲が高まってきた」と成果を語る。

 本年度は学びの土台をつくる学習環境を工夫し、言語感覚を磨き、鍛える。子どもの目に付くように廊下の掲示板やホールに詩を展示し、言葉や熟語、漢字に関するクイズコーナーを設けている。

 同校では一人一人に貸与するタブレットを子どもが家庭に持ち帰り、専用のドリル問題(国語、算数)にチャレンジし学びの意欲を高めている。

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