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90歳スイマー、マスターズで世界新 石巻出身の清野さん「記録更新挑み続ける」

筋トレに励む清野さん。「50メートルだけでなく、100メートルや200メートルでも記録を更新したい」と意気込む

 石巻市出身の清野満平さん(90)=仙台市青葉区=が13、14の両日に盛岡市で開かれた2023年度日本マスターズ水泳短水路大会岩手会場の男子50メートル背泳ぎで、世界新記録を樹立した。清野さんは「これからも自分の記録の更新に挑みたい。100メートル、200メートルでも新記録を達成できれば」とさらに上を見据える。

 清野さんは90~94歳の部に出場。従来の世界記録を0.09秒上回る52.40秒で泳ぎ切った。「大会2日前の練習から調子の良さを感じていた。当日もターンをしてから力が湧くのを感じた」と振り返る。スタンドからの歓声で、新記録達成に気付いた。同大会には100メートル背泳ぎにも出場した。

 昨年に胆のうなどを2回手術したほか、新型コロナウイルスにも感染し、練習できない日々が続いた。今年4月の同大会宮城会場が、3年ぶりの試合だった。「入院している間に筋肉が落ちて脚が細くなったが、筋力トレーニングを続けたり、公共交通機関を使ってプールまで歩いて移動したりすることで筋力が戻ってきた」と話す。

 仙台市内のプールで週2日、バタ足やクロール、背泳ぎなどを組み合わせながら計2000メートル、1時間半程度練習する。週3日は市内のジムでの筋トレに充てている。

 清野さんは旧制石巻中2年生の頃、陸上部から水泳部に転向した。石巻高1年だった1948年、第3回国体で6位入賞。戦後の日本新記録を超え、ヘルシンキ五輪(1952年)の候補選手に選ばれた。

 合宿と練習に打ち込み、11月の北上川で泳いだこともある。冬場には走り込みするなど陸上競技にも親しみ、校内マラソンでは常に1位だったという。日大に進学後も水泳を続け、五輪出場はかなわなかったが、強化選手に選抜された。

 「根性がなければ今まで続けられていない競技。陸上経験がスタミナや精神面強化の地盤になっている」と言う。今年10月には2023イーハトーブマスターズ水泳盛岡大会に参加する予定だ。

 清野さんは、18年に三陸河北新報社の取材を受けた際、90歳での世界新記録更新を目標に掲げていた。「有言実行できた。これからも記録更新を目指して挑み続けたい」と笑った。

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