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震災未経験でも自分事に 石巻・向陽小4年生、「門脇小」で防災学ぶ

門脇小の震災遺物が展示された施設を見学し、同校の震災被害を学ぶ4年生

 石巻市向陽小(児童355人)の4年生46人が5月24日、防災学習のため市震災遺構「門脇小」を訪れ、施設を見学した。児童たちは防災の意義や命を大切にすることを学んだ。

 東日本大震災を経験していない4年生が学びの意欲を高め、震災を自分事として捉えてもらおうと、初めて企画した。防災意識を高める目的で保護者にも声がけし、23人が参加した。

 初めに、震災当時の門脇小や南浜町地区の状況を紹介した20分の映像を視聴した。当時の教員や児童、住民のインタビューを交え、子どもの命を守り抜いた教師、恩師に感謝する教え子の率直な思いが伝わる。

 4年生は12グループごとに活動。施設の見学では、津波と火災に見舞われた校舎の内部を外部通路から見て回り、校長室の倒れた金庫や焼け落ちた天井材などを確認し衝撃を受けていた。

 被災した門脇小に残された防火扉やげた箱、黒板などを展示した特別教室も見学した。机の後ろに置いた椅子に座り、震災時にタイムスリップした感覚を味わった。

 宮崎珠吏君(9)は「津波の映像にびっくりした。机と椅子が焼けて黒かった」と感想を話した。

 石巻高1年で震災を経験した4年1組担任の細川浩太教諭(28)は「門脇小の映像を見て、子どもたちを守らなければならないという意識がさらに高まった」と語った。

 この日の学習は、復興防災マップの作成に役立てられる。

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