101年前の「町報」第1号、発見 石巻の佐藤さん、亡き父の机から貴重な史料
1922(大正11)年5月に石巻町(現在の石巻市)が発行した「石巻町報」の第1号が見つかった。現在の「市報いしのまき」の原型とも言える101年前の貴重な史料だ。
石巻市鋳銭場で青葉電気商会を営む佐藤英一さん(75)が4月に自宅(石巻市水明北1丁目)の机の引き出しから発見した。机は2019年に101歳で亡くなった父親の哲雄さんが使っていたもので、町報は四つ折りにされ、ビニール袋に入れられていた。
紙面は、ほぼ現在のB5サイズで、見開き4ページ。保存状態は良く、文字がはっきりと読み取れる。
石巻町は1889(明治22)年4月1日に発足。33年後に町報第1号が発刊された。当時の武山一郎町長の「町務の状況を民衆に知らせるため」とする「発刊の辞」で始まり、人事異動、町議会、寄付や表彰、警備・水難救護などの情報を掲載している。仙北軽便鉄道(石巻線の前身)の時刻表もあり、石巻-小牛田間で1日6往復運行されていたことが分かる。
町報は今のように全戸配布ではなく尋常小学校や図書館、金融機関、各区長宅に配布され、「町民諸君は最寄りのところでご覧願います」としている。
佐藤さんは「発行当時、父は4歳。祖父からもらったのか、大人になって自分で入手したのか知るすべがない」と話す。「(父親は)物を大事にする人だったが、古い物を集めていたという記憶はない」という。
2年ほど前から「先祖、家のことを知りたい」と資料集めを始めたという佐藤さん。町報も家の中を探索中に見つけた。「町報の発行が101年前、父が亡くなったのが101歳。何か縁を感じる」
「スキャンし、NPO法人石巻アーカイブにデジタル保存してもらった。原本は図書館など公共施設で保存してもらうことを考えている。多くの人に見てもらいたい」と話した。
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