石巻・北上中で避難訓練 保護者の小山さん、震災教訓伝える
石巻市北上中(生徒44人)は2日、地震と津波を想定した防災避難訓練を実施し、全生徒と教職員が有事への備えを確認した。訓練に合わせ、生徒の保護者が東日本大震災後に見つかった旧相川中の校旗を届け、生徒に震災の教訓を伝えた。
校旗を届けたのは保護者の小山友希さん(42)。被災した旧相川小の復旧作業を手伝っていた時、校舎内で2008年に閉校した相川中校旗を見つけた。
同校の卒業生だった小山さんは「母校の残した物がこのまま捨てられるのは避けたい」と持ち帰り、自宅で保管していた。相川中の統合先の北上中に本年度、長女が入学したのをきっかけに校旗を託した。
小山さんは震災時の体験を生徒に語った。ライフラインが途絶えて入浴が数週間できず、生後2カ月だった長女があせもで痛々しい姿になった当時を振り返り「日本は災害が多い。今日の訓練を生かして最善最良の選択が取れるように周囲と話し合い、備えてほしい」と語りかけた。
3年生の高橋歩蓮さん(15)は「津波被害のすさまじさを知った。普段から真剣に訓練し、災害の被害を少しでも減らしたい」と話した。
届けられた校旗は北上中が保管し、活用方法を今後検討する。
訓練は宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)9.0、震度6強の地震が起き、津波警報が発表されたと想定。訓練用の緊急地震速報が鳴ると、生徒らは机の下にもぐり、身を守りながら揺れが収まるのを待った。教職員が校内の様子を点検し、生徒はヘルメットを着用して体育館に避難した。
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