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コロナ5類移行から1カ月 経済活動は回復傾向 「時間かかる」の声も 石巻地方

5類移行でパーティションを撤去した「ごくう」の店内

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けがインフルエンザなどと同じ「5類」に移行してから、8日で1カ月がたった。居酒屋など飲食店の客足や観光需要は徐々に戻りつつある。一方で、都市部とは異なる地方の慎重さなども手伝い、経済活動全体がコロナ流行前の水準に戻るにはまだ時間がかかるという指摘もある。

 石巻市立町2丁目の「旬鮮居酒屋ごくう」をはじめ、市内で居酒屋など4店舗を経営するグローバルダイニングの武山雄樹社長(51)は「移行前は1人や2人のお客さんが多かったが、5類移行後は5人以上のグループ客が目立つ」と話す。

 10人以上の予約も入ってきている。マスクを外せるようになり、カウンターのパーティションも取り払った。「店のコンセプトの『お客さんとの距離を縮め、会話を楽しむ』様子が戻ってきた」と歓迎する。

 屋上ビアガーデンの営業を1日に始めた同市山下町1丁目の「飛翔閣」は、昨年まで半分に減らしていた席数を従来に戻し、1日当たり100人まで予約を可能にした。

 既に50人規模の申し込みもあるといい、杉山寛明社長(53)は「7~8月の予約も既にあり、お客さんが戻ってきている。人手が足りないくらいだ」と語る。

 観光業界にも変化の兆しがある。

 同市千石町の石巻グランドホテルなどを運営するソーワダイレクトの後藤宗徳社長(64)は「宿泊需要はビジネスも週末の観光利用もほぼコロナ前に戻った。ただ、宴会需要は低いままだ」と説明。「5類移行は追い風。旅行を控えていた人たちが物価高騰の中、夏から秋にかけてどれだけ動いてくれるかだ」と、気をもみながらも今後に期待を寄せる。

 石巻観光協会長と石巻圏観光推進機構の代表理事も務める後藤社長は、石巻市の金華山詣(もうで)と金華山道が昨年追加認定された日本遺産「みちのくGOLD浪漫」に注目する。「インバウンド(訪日客)向けに磨き上げたい。中国の個人旅行が解禁されれば、需要が高まる。広域にも波及する」

 ただ、経済関係者からは「経済活動が以前と同様に戻るには(コロナ禍と)同じぐらいの期間がかかるのではないか」との指摘もある。「仙台や東京に比べ、地方の人は慎重だ。感染の怖さも消えない。この3年で『外に出なくてもいい』が習慣付いたことや物価高の影響もある」と語り、緩やかな変化を予測する。

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